利休にたずねよのレビュー・感想・評価
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海老蔵の所作が美しい
兎に角淡々と話が進むので、人によってはもどかしいかもしれない。だが海老蔵が茶を入れる所作の美しさは比類がない。国宝級の茶碗を使用しているので目の保養にもなる。何故利休は死ななければならなかったのか。死ぬまで愛した女性との別れは形見を肌身離さず持っていることで判ります。死してなお、その女性に嫉妬する中谷の演技も素晴らしい。
利休にたずねよ
期待はずれの作品でした。脚本、監督に力がなく途中で眠くなりました。海老蔵は舞台ては映えるのに「武蔵」「一命」等映像になると貧相になる。メイクの技術も進歩しているのに「老け」はお粗末。海老蔵にはまだ無理な役だったかもしれない。中谷の妻女は良いが、団十郎が出てきて俄然画面がはじめてしまる。「利休」の作品は過去にもあるがこれは最低。「利休にたずねよ」とは何でしょうか?「利休に謝れ」「観客に謝れ」……と云うのが正解でしょう。。
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美は崇高なり。
"美"に命を捧げた千利休の人生が清々しい。
漁師小屋の激動を原点に、
狂気と野心を孕む際限の無い"美"への追求に駈けた男を、
市川海老蔵が凛々しく優雅に印象付けており見事。
計り知れない悲しみを抱える宗恩を演じた中谷美紀も絶品。
多くを語らず黙して悟れを貫く日本らしい優美の物語。
余韻が味わい深い。
侘び茶を巡る、胸焦がす歴史ミステリー!
千利休の目ざした「侘び茶の境地」には、彼の妻さえも知りえなかった痛切な「原点」があった・・・
そんな歴史ミステリーは、ローランド・エメリッヒ監督作品『もうひとりのシェイクスピア』やオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督の『ダイアナ』などを思い起こさせます。
この世ではもはや手に入れることの叶わぬモノ。見果てぬ美。それでも命を賭して探求せずにはおられぬ利休の姿を、市川海老蔵は、抑制された「静」とパッショネイトな「動」とを巧みに演じ分けながら見せてくれます。また、その時代背景も、ある時はひたすら豪奢に、またある時には実に渋い映像美で再現され、私の目を存分に楽しませてくれました。
一個人の見果てぬ夢の追求がやがて「茶は剣に勝る」といった政治性を帯びていってしまう経緯や、劇中ナレーションもしている妻・宗恩の心理などは描き込みが足りず、やや不満も残りますが、利休の過去を巡るミステリーの面白さはそれを補って余りあります。
本作を観終わって、『利休』(勅使河原宏監督)、『千利休 本覺坊遺文』(熊井啓監督)もぜひ見たくなりました。
あ、それから、桂米朝師匠が演ずる上方落語『天狗裁き』も併せて見たい。妻や秀吉ら利休を取り巻く人々の心理をより深く理解する意味で、ね(笑)。
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