シャニダールの花のレビュー・感想・評価
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花以上に華の不思議な魅力
選ばれた女性の胸に花が咲く不思議な現象。
その研究をする男女の愛。
何とも不思議な世界観、題材、美しい映像、旬な役者…。
いい素材は揃ってるのに、うーん、よく分からないと言うか、はっきり言って面白くない…。
よってレビューも何を書いていいのやら…(^^;
唯一の注目は、黒木華。
この作品他で2013年の多数の新人賞を受賞し、今や若手トップに。
特別美人じゃないけど不思議な魅力がある。劇中の花以上に。
芸術性重視?付いていけない部分が多すぎた・・・
よく分からない部分が多すぎて、私レベルの感性ではいまいち入り込めなかったと言うのが正直なところですかね。
全てを台詞で説明する映画にも問題がありますが、説明不足過ぎる映画にも少々問題があるような・・・。
分かる人だけ分かればいい、上から目線の芸術性重視な作風が、ちょっとハナに付いたかも。
タイトルの響きと好きなキャストが揃っていたことだけで選んだ側にもまあ問題があるのかもしれませんが・・・(苦笑)
しかし何と言いますか、中盤過ぎまで描かれたシャニダール研究所での一幕が、結局のところ終盤の展開にそれほど有効には生かされてなかった気もするんですけどねぇ。
説明不足だった謎に包まれた伏線が、中途半端にしか回収できていなかった気がして・・・ってまあ私の頭では処理しきれなかっただけのことなのかもしれませんが、幻想的なラストも何か唐突で曖昧で、自分で解釈してくださいと突き放されても、ちょっと消化不良気味です。
とは言え、つまらなかったと言う訳でもないんですよね。
シャニダールの花に運命を狂わされた男女の織り成す人間ドラマは、説明不足ながらも見応えはあったので、難しいことはさておき雰囲気だけはまずまず楽しめたかなと。
心模様と花の連動具合が様々な感情を巻き起こし、この先どうなって行くのか、結構ドキドキ感も味わえましたし。
研究所の所長が古舘寛治の時点で怪しさ満点でしたよね。
そこで繰り広げられた研究員・綾野剛&新人・黒木華と花の提供者・刈谷友衣子&山下リオ&伊藤歩の人間模様は一見の価値あり、ただ綾野剛と黒木華の距離の縮まり具合はやや唐突過ぎた印象かなぁ。
まあそんな訳で、人に寄生する花に纏わる石井岳龍監督独特の世界にはいまいち付いて行けずも、ドラマ的には雰囲気だけまずまず楽しませてもらいましたって感じです。
ちょっとだけ切ない
なんか、この監督の作品の割に胸に来るものがそんなでもなかった気がします。
脚本もなんだか、集中できないというか…
それなりに面白かったですが、内容的に飛びすぎてる感が強い感じですかね。
まとまってない感じです。
期待はずれ
若い女性の胸に寄生する花という美しい着想は素晴らしいけれど、その花の美しさや儚さや人を狂わせる毒といった「花」の持つ魅力が、結局のところ何のメタファーであったのかが最後まで分からず。
人を滅ぼす悪魔の使いなのか、愛を全うして植物となるために咲く花なのか。
研究機関の描き方の浅さも含め、着想に作品が追いついていない。
哲学的な怖いギャグ映画
まず、恐竜を絶滅させたのは花だという話で始まります。
次に、恐竜に食べられていた植物は、恐竜を絶滅させるために花を咲かせる事にして、種を拡散させて食べられずに繁栄する道を選んだという仮説へ続きます。
シャニダール研究所で、若い女性の胸と肩の間ぐらいの所に、花の菌を植え付け人工的に育てて、咲いた花が一億円で取引されます。
それに、怖い事に、心にポッカリと穴の空いたような人ほど、花が寄生しやすいのです。
シャニダールとは、花と一緒にネアンデルタール人の化石が発見された遺跡のあるイラク北部の地名です。
人間と一緒に埋葬された世界最古の花の化石以来の、人類にとって貴重な花という事で、この花は、シャニダールと名付けられました。
映画の中で、“花と一緒に埋葬したんではなく、本当は、ネアンデルタール人は花に寄生されて絶滅したんだ”と所長が語るシーンが面白かったです。
また、人間の髪の毛が根っ子で、股の部分が花で、人間は自然に逆らって生きているという発想も面白かったです。
そして、この花は、細菌や毒ガスなどの化学兵器に変わる武器としても、利用が考えられているという話でした。
『貞子』シリーズに替わる新たなジャパニーズ・ホラーとして、シリーズ化して欲しいです。
久々の和製本格SFを期待したのだが
もっとSF色が強いとかマッドサイエンスな話かと思って観たら、どちらでもなかった。勝手に「月に囚われた男」的な雰囲気を持った作品をイメージしていた。
旧石器時代のネアンデルタール人の発掘場所のひとつ、イラクのシャニダールで骨格の周りから花弁が見つかり、遺体に花を添えたものであるという学説から派生したストーリー作りになっている。人が心を持った瞬間だというのだ。
胸に咲いた花の発育と提供者の心の状態がリンクするのは、心=胸という分からないでもない発想だが、やや芸がない。
そもそも、なぜ女性にしか芽吹かないのか、なぜ彼女らが選ばれたのか、いったいどんな薬品の開発なのか、一切説明がない。
これらの謎解きが無いのでSFとしては不十分な内容になる。
研究所の所長が真実を隠して研究所の存続を図っているようだが、これも狂気というほどではなく、マッドサイエンティストとは程遠い。
植物学者・大瀧にアシスタントとして就く新人セラピスト・響子が花の魅力に取り憑かれていく過程もあっさりしていて、結局この作品が語りたかったのは何なのかよく分からないまま終わってしまう。
せめて響子にはもう少し色気のある女優を使ってほしかった。狂った愛にもならない。ギターだけは狂ったように鳴り響くが・・・。
もしかして、人が人である原点が心だとして、その心の自然回帰の謎を描こうとしたのであれば、なおさらSF作品として成立させてほしくなる。
何の話だったのか。
画面に緊張感がなく、役者が芝居しきれていない消化不良な印象を受けた。
舞台設定も浅く、物語を動かす装置がない。
登場人物の役割がはっきりしない。
細かいディテールへのこだわりが感じられない。
映像として面白みのある箇所もない。
キャスティングがGood!
前半の、理詰めで進みそうな部分と、中盤の穏やかな雰囲気、後半の幻想的な要素。
綾野剛の変化が同期。
黒木華の一貫した空気感。
絵空事のような「人の胸に咲く花」しかし、これはヒトに寄生する新種のウイルスや、腫瘍に置き換えれば、ぐっと身近な物語となる。
しかしそれをあえて、リアリティのない世界へと引き込んでいった。
ハリウッド映画のように、宇宙を相手にしなくても
人間は破滅に向かうのか、永遠の世界へ導かれるのか、そういったテーマを表現できることに気づかされる。
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