「あいつらは、花に寄生されて滅んだんだ。」シャニダールの花 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
あいつらは、花に寄生されて滅んだんだ。
クリックして本文を読む
映画「シャニダールの花」(石井岳龍監督)から。
ストーリー的には、そんなばかな・・と思えるが、
ネアンデルタール人が「ホモ・サピエンスの先祖ではない」、
そんなことを以前耳にしてから、ずっと考えていた
「ではなぜ滅びたんだろう?」という疑問を解く、
ちょっとしたヒントが隠されていた気がする。
もちろん映画だし、仮説というほどの説得力もないが、
旧石器時代に石器の作製技術を有し、火を積極的に使用していた
「ネアンデルタール人」が、滅びた理由としては、面白い。
「あいつらはな、花に滅ぼされたんだよ。
死者に花を手向ける文化。人の心を持っていた証拠?、笑わせるなよ。
あいつらは、花に寄生されて滅んだんだ」というフレーズが印象的だ。
タイトルとなっている「シャニダール」洞窟の調査で、
調査をした教授はネアンデルタール人の化石とともに、
ノコギリソウや、ヤグルマギクなど数種類の花粉が
大量に発見されたのを理由に、
「ネアンデルタール人には死者を悼む心があり、
副葬品として花を遺体に添えて埋葬する習慣があった」との説を
真っ向から否定する物語の展開が、面白かった。
作品冒頭にメモした「花のはじまりはなぞに包まれている。
花が恐竜を滅ぼしたのだ」というフレーズが輝いてきた。
コメントする