アイアン・フィストのレビュー・感想・評価
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香港映画がつくるカンフー映画よりもカンフー映画らしい作品
ある意味で香港映画がつくるカンフー映画よりもカンフー映画らしい作品ができたといえる作品。その大きな違いは、アクションシーンのリアルティにあります。香港映画伝統のワイヤーアクションは、ことさらにワイヤーで吊されていることを強調するかのような超人的回転を見せます。
しかし、本作ではより自然な感じに見せるように控えめに使われていることに好感が持てました。その分肉体同士のぶつかり合いはより激しく、その痛みがスクリーンを通して観客にも伝わってくるかのような映像でした。人間の肉体を駆使したアクションが、CGに食傷気味の観客の目にむしろ新鮮に映ります。そのこだわりに感じるものは、カンフー映画を愛しているという思いです。
やっぱり監督のRZAやプロデューサーのタランティーノなど、スタッフがみんなカンフー映画をリスペクトしているところから企画が始まっただけに、その思いは半端なく画面に滲み出ていました。
それにしても、カンフー、剣術、お色気をごった煮にし、派手な美術と視覚効果にヒップホップを導入した劇画調の映像世界は、まるで無国籍酒場に迷い込んだティストです。それでもカンフー映画マニアのオタク作品とはならずに、ギュギュとその奥義を煮詰めつつ、エンターティメントとして老若男女が楽しめる作品に仕上げた快作といっていいでしょう。
B映画にしては、やたら出演者も豪華。ラッセル・クロウもやけに楽しげに演じています。カンフー映画という場違いなロケーションにも、東洋美女に囲まれても、ラッセル・クロウはビシッと様になるところは凄いです。
個人的には、WWE元チャンピオンのバウティスタが出演していたことに驚かせられました。贔屓なんです。生身のバウティスタ でも強いのに、全身の筋肉が真鍮に変身する超人として、主人公のブラックスミスに立ち向かう敵役の用心棒となるのです。こんな化け物が敵役では、勝ちようがないですね(^^ゞ
さて物語の時は19世紀。武装集団が割拠し、争いが絶えない中国。黒い肌をした名もない鍛冶屋(ブラック・スミス)は、敵対する猛獅会(ライオン会)と群狼団(ウルフ団)からそれぞれ特注の武器を依頼されるところから始まります。断れば命はありません。そして、愛するレディー・シルクのために金を稼がなければならないという事情を抱えていたのでした。平和を望みながらも、恋人と村を出るのに必要な金を稼ぐため武装集団に武器を供給せざるを得ないという鍛冶屋の矛楯。それは西部劇のように善と悪が対立するという単純な構図でないところにカンフー映画の奥義を感じました。
そんな主人公をさておき、土地を治める総督から猛獅会へ、5万両の莫大な金塊輸送の警護の協力を申し渡されます。しかし、欲深い銀獅子(シルバー・ライオン)と銅獅子(ブロンズ・ライオン)は金強奪を企て、猛獅会の首領・金獅子(ゴールド・ライオン)を殺害。遠く離れた地で父の非業の死を知った息子のゼン・イーは、叢林村へと馬を駆けます。
金塊輸送が行われるという噂は瞬く間に広まり、叢林村には多くのよそ者が流れ込んみます。白人のジャックもその一人でした。彼は、娼館の粉花楼(ピンク・ブロッサム)へ出向い、妖艶な女主人マダム・ブロッサムに3人の女を用意させ、熱い夜を過ごすのでした。粉花楼の別の部屋では鍛冶屋がレディー・シルクに金を渡していました。彼女を身請けして村を出ていくのが鍛冶屋の夢だったのです。
一方、銀獅子率いる猛獅会は、群狼団を殲滅。さらに、金獅子の正統な後継者であるゼン・イーに暗殺部隊を送り込みます。ゼン・イーは全身に武器を仕込んだ“X刀”でこれを撃退しますが、叢林村に辿り着いたところで、金剛(ブラス・ボディ)の襲撃に遭うのです。金剛は全身を真鍮に変える特殊能力を買われて銀獅子に雇われた最強の殺し屋。ゼン・イーのX刀も歯が立たず、瀕死の状態に追い込まれます。傷だらけのゼン・イーを匿ったのは、鍛冶屋だったのでした。
銀獅子と銅獅子は計画通り金塊の輸送隊を襲撃します。護衛についていた剣技の達人・双飛(ジェミニ)夫妻の激しい抵抗に遭いますが、謎の男・毒剣鬼(ポイズン・ダガー)が吹き矢で双飛夫妻を毒殺。銀獅子たちは奪った金塊を粉花楼の地下に隠し、総督から金奪回の命を受けた胡狼軍(ジャッカル軍)の迎撃に備えるのです。双飛夫妻も名うてのカンフーの使い手で、銀獅子と銅獅子との対決シーンはここで終わってもおかしくないほど迫力満天でした。
回復に向かっていたゼン・イーは、鍛冶屋に新しいX刀を作ってくれと頼みます。しかし、鍛冶屋は金剛ら猛獅会に拉致され、「ゼン・イーの居場所を吐け」と拷問を受けた末に、両腕を切り落とされてしまいます。
神出鬼没の男ジャックに助けられた鍛冶屋は、その流浪の半生を語り始めます。誤って白人を殺してしまったことで逃亡生活を余儀なくされるが、乗った船が沈没。漂流の末、中国で僧侶たちに救われるのです。そこでアフロヘアーを剃って解脱し、精神と武術の修行に励んだのだと語るのでした。
後半になって活躍を始めるジャックの正体が何者か凄く気になりました。猛獅会が捜していた皇帝が金塊を守るために直々に任命した密使は誰なのかという謎と相まって、ジャックの存在が大きくなっていきます。
ジャックの手を借りで“鉄の拳”を作り上げた鍛冶屋は、封印していたカンフーも解き放ち、“アイアン・フィスト”として生まれ変わります。やっとやっと主役の登場です(遅いぞこの展開!)。
共闘を誓い合ったゼン・イー、ジャック、そしてアイアン・フィスト。3人は、銀獅子、金剛らが待ち受ける最終決戦の地、粉花楼へと向かうのでした!!!
金塊の争奪戦で意外な伏兵は、粉花楼の女郎たちでした。遊郭の勝ち気な女主人役のルーシー・リューが突如として豹変する姿に唖然!ワイヤに吊るされ空を飛び、屈強な男たちをなぎ倒す光景には、思わず歓声をあげたくなることでしょう。
アイアン・アフロ。
チラシを手にした時から、すっかり勘違いしていた。
これタラちゃんの映画ではないのね。強力サポートだけなのか^^;
なんだぁ~。って、ちゃんと見りゃ分かるのに。
で、誰?この…RZAって。あ、ラッパーかぁ~アフロだもんねぇ。
キル・ビル繋がりでこういうことになったみたいだけど、
確かに世界観もキャスティングもほとんどがタラちゃん節の複製。
でも内容がまるでないんだもんなー(スイマセン)
冒頭から、なんでこいつが鍛冶屋?とか違和感丸出しの展開に、
あ~こういうごちゃ混ぜテイストなんだ、と思ったら覚悟ができて。
R・クロウとかL・リューとか、けっこうな大御所を出しているんで
アクションシーンには観応えがある。
加えてさすがR15+だけあって、グロいうえにややエロもあったり。
ただ、見せ場満載なワリにはホントに中身がないので、
ラップをバックに、首が飛んだり手が飛んだりと、血生臭い展開
が延々と続いていく…。
で、このRZAさん、主役級の鍛冶屋も演じている。
この人多方面で活躍しているらしく、俳優業も色々やってるのね。
どうも黒人がカンフー(全然おかしくはないはずなんだけど)って、
この人に限ってなのか、たまたまそう見えちゃうのか、終いには
お前、アイアンマンか!?みたいな装着もするんで、笑っちゃう。
(まぁここまできたら、これくらいやってくれませんと)
恋愛面では一応、そこまでの悲しい流れ~なんかもあるので、
ドラマ性は(その部分に於いて)あるんだけど、やってることがね^^;
観ていて面白い分には面白いので(闘いが派手、音楽も派手)
もう腹をくくって、開き直って、楽しむのが正解(それしかないし)
ラッセルもなかなか面白いことやってくれるけど、
やはりL・リュー。「やっちまいなー!」とは言わなかったけど、
それっぽい指示は出すので、彼女の娼館ピンク・ブロッサムでの
決戦はかなりの観応え。それなりに、ここは面白く観られます。
やはりこういう珍(複製)映画を観ちゃうと、
ご本家タラちゃんの監督した異色カンフーとか観てみたいわねぇ。
と、思いながら劇場を後にしたのでした…
(想像つくと思いますがけっこうグロいので^^;お気をつけ下さいまし)
カンフー映画は生きている!
カンフー映画、アクション映画好きなんで迷わず観に行きました。
アクションシーンはキャラクターによって様々な技や武器が使われていてかっこ良かった!特にラストに出てきた鏡の部屋ではカンフー映画への愛を感じて嬉しくなってしまいました。
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