「じわっと心にしみ込む映画」四十九日のレシピ BUCHIさんの映画レビュー(感想・評価)
じわっと心にしみ込む映画
傑作だった。映画館に二度足を運んだ。
永作さんと蓮司さんの間の取り方が素晴らしくて呼吸がとまりそうになる。
一度目は主人公の目線で見た。痛々しい悩みに心を締め付けられ、亡くなった母の残した優しさにポロポロと自然と涙がこぼれた。
二度目は父の目線で観た。自分も立ち直っていないのに傷ついた娘の為に立ち上がろうとする優しさが本当にグッときた。イモやハルがなんて心強いんだ。ちょっとアホだけど、変だけど、人の温もりを何より大切にする魅力的な若者たち。嫌な過去があったからこそ純粋に他人に愛情を注げる力を養えたのだと思う。それが母が残した大切なものなのだろう。
人生に空白などない、どこかで誰かが絶対見ていてくれる、考えてくれているというメッセージにハッとさせられた。その分、自分も人と真摯に向き合っていかなくてはと考えさせられた。
主人公たちが何処へ向かっていくのか、結論は上手く明らかにせず、観た者に考えさせるようにしているが、二度目を観た時、オヤ?と思わされる伏線があった。
この映画は、すばらしい感覚を持った人たちが作り上げたのだとはっきり言える。
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