「不謹慎なほど面白い」セデック・バレ 第二部 虹の橋 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
不謹慎なほど面白い
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前編がそれまで抑圧されていた人々の武装蜂起のカタルシス溢れる展開だったので、後編は敗残兵として山に追われ、一人二人仲間が殺され……といったような鬱々とした話ではないだろうかと予想して見に行ったら全く違っていた。鎮圧しようとする日本軍を互角かそれ以上に一歩も引いていなかった。決死の覚悟で『ワイルドバンチ』『硫黄島からの手紙』のような徹底抗戦だった。
それに対して日本軍も他の部族を引き込んで戦わせ、毒ガス攻撃までするなど、ひじょうにえげつない。モーナたちを応援したい気持ちと、日本軍に頑張ってほしい気持ちで引き裂かれるような気持ちで見た。命と命がぶつかり合い、奪い合う激しさがとんでもないテンションで描かれていて腰が抜けそうだった。
民族として生き残る事が重要なのか、誇りを失わないために命を投げ出すことが大事なのか、どっちも大事にできる方法は果たしてなかったのだろうか。か弱き者たちが命を失う場面はとにかくつらい。
エンターテイメント性が非常に高く、不謹慎なほど面白かった!
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