「こっちは戦闘編」セデック・バレ 第二部 虹の橋 いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
こっちは戦闘編
二部は、ずーと戦闘シーンです。ゲリラ戦。たくさんの人が死に、段々と仲間が減っていきますが、彼らは悲しみを抑えつつ勇敢に戦う。虹の向こうへ死ねば行ける、と考えているから。虹の向こうは先祖が暮らしている平和な土地、そこでみんな幸せに暮らしている。浄土思想に近いものです。敵の首を狩らないと浄土に行けないのが、ネックポイントでしょう。これがもし敵の首を狩らなくても浄土に行けたのなら、反乱自体なかったのではないでしょうか。
敵を打ち取れば大人になれる、大人になれば虹の向こうに行ける。だから敵を倒したことがない子供は大人にしなければならない。子供は敵を倒さないといけない。この敵が、かつては敵族だったのですが、日本統治以後は日本人になった。
史実によれば、戦闘による日本側の戦死者は味方蕃を含めて五十人ほど。脚色されているのか、それとも史実が違うのか、ずいぶんと日本の戦死者が多い描写でした。映画だしエンターテイメント性を計ったのでしょうか?
物語の中で、やはり注目すべきは蕃族でありながら日本の警官になった、花岡一郎と花岡二郎。反乱成功後、責任感か、罪悪感か、自害してしまいます。
刃向っても勝てないことをしりつつ刃向うのは、先祖、祖国に報いる為、今この生を散らしてでも一矢報いるべきという武士道に通じます。さっぱりして、すがすがしい。日本人なら好きな考え方。
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