劇場公開日 2013年2月15日

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ゼロ・ダーク・サーティのレビュー・感想・評価

全103件中、81~100件目を表示

2.0アメリカの人には、刺さる内容かな?

2013年3月31日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

2月23日、TOHOシネマ錦糸町で鑑賞。

それなりに期待して見たが、それに反して、基本的に「アメリカ万歳、イスラムは悪」のメッセージがある、と感じる。

「アルゴ」が米帝に対峙するイスラムを滑稽に描いて成功しているのに対して、本作は徹底して戦う姿を描く。

米国にめちゃくちゃにされたという点では、日本も被害者である。

その意識がある人間には、世界の正義の保安官面をしたような作品は受け入れない。
オスカーで主要賞を与えなかった(音響編集賞を「007 スカイフォール」と共同受賞)、米アカデミー委員の「見識」に賛同。

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町谷東光

4.0緊迫感があってよかった

2013年3月22日
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鑑賞方法:映画館

興奮

正直ちょっとドキュメンタリー的なのかな?と思ったけれど、
常に緊張感が漂い、退屈しなかった。
主演女優が確かにとてもよかった。
ただ、拷問シーンなどがあり、まわりで中年女性が帰っていった。

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デルフィニューム

3.5米の一部の勢力による、ある種のプロパガンダ。

2013年3月20日
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知的

9.11の首謀者といわれるオサマ・ビン・ラディン。彼を追い詰め、殺害に至るまでを、事実を下に描いた作品。微に入り細に入り描かれているので、機密の漏洩を疑われ大問題になったといわれる作品。

私は陰謀論者じゃ無いですが、この手の作品って、ある意味世論誘導的な意味合いあると思うんですよね。もっともこの作品の場合は、あまり露骨な誘導を感じることは無かったので、そういう意味では、世論誘導の意図は低かったということなのかもしれませんね。

淡々とと言うか、時々刻々とと言うか、物語は進んでいくので、映画としては単調な印象を受けるかもしれません。時間も、150分超えと長いですしね。リアルに徹したためか、日本人には理解し難い内容かもしれません。

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勝手な評論家

3.5演出に欠けている?

2013年3月17日
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鑑賞方法:映画館

実話に忠実なのかどうか知りませんが、思ったより盛り上がりませんでした。
主人公に対する感情移入も殆ど出来ません。
オサマビンラディンは国家にとっての極悪人かも知れませんが、裁判にもかけずに周りの人間も巻き込んで殺してしまったのは、考えさせられます。

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ダブル(^-^)/

4.5ビン・ラディン殺害までの緊迫の10年間

2013年3月12日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

 昨今の世界で起きた事件の中でも、最大の驚きを持って迎えられたのが「ビン・ラディン殺害」であろう。元々ビン・ラディンの捜索に四苦八苦するCIAを描くつもりだったらしいが、この一報を聞いて急遽脚本を変えたらしい。正直そのニュースを聞いたときは「どうなることやら」と思っていたが、それは私の完全な思い違いであった。

 まず映画は9.11のときに様々な人の間で交わされた電話のコラージュからスタートする。画面は真っ暗のまま、人々の恐怖を音声のみで描き切っている。このシーンに代表されるように、「ゼロ・ダーク・サーティ」は全編を通して音響効果が素晴らしい出来映えだ。爆破のシーンも、電話の盗聴も、終盤の作戦決行時も「音」が映画の持つ異常なまでの緊迫感を生んでいる。

 CIAによる捕虜の拷問シーンも前半では盛りだくさんだ。容赦ない水責めに合わせたり、陰部を露出させたまま首輪をつけて狭い箱の中に閉じ込める。オバマがあれほど捕虜への拷問を禁止すると言っていたのもうなずける、凄まじい描写だ。
 ビン・ラディン殺害に成功したCIAを、ただ賛美するだけに終わらないゆえんはここにある。このシーンだけでなく、CIAに批判が飛んで拷問を取りやめた後半でも、「拷問」がいかに有効な手段かを暗示する台詞が登場する。極悪非道のテロリストを洗いざらい見つけ出すために、極悪非道な手段をとるのだ。いかに「大義」というものが不安定なのかを指し示している。

 こういったシーンの冷酷さが際立つのは、"The Killer"と呼ばれるマヤを演じたジェシカ・チャンスティンによるところが大きい。今まで彼女が出演した映画をいくつか見たが、毎回まったく異なる役柄に完璧になり切る。今回も例外ではない。捕まえたアルカイダの幹部を尋問する時でも欲しい情報を吐かなければ、傍にいる男性の軍人に殴るよう促す。人間がする行動とは思えないことを繰り返し、精神が疲弊していく様は時折描かれるが、それでも申し訳程度だ。ひたすら全面に押し出されるのは、ビン・ラディン捜索のためなら何をすることも厭わないマヤの冷酷さと異常な執着心だ。

 キャスリン・ビグローは「ハート・ロッカー」でもそうだったが、戦時下などの異常な状況における「麻痺した」人間を描くのがとても上手い。拷問を加えた後は優雅にコーヒーをすすっている。こういった場面が今回ではより強調されているが、それに伴い「ハート・ロッカー」のときよりも、個々の人間の内部の描写に欠けているとも感じた。

 というのも、主人公のマヤには最後まで感情移入できない。いくら9.11の主犯であるからとはいえ、彼女のビン・ラディンへの執着心は異常としか言いようが無い。なにしろ上司にすら「気でも狂ったか」と言われる始末なのだ。劇中の人物が理解できないことを観客が理解できるはずが無い。憎悪にも似たその感情をもう少し丁寧に描けば、ラストシーンもより深みが増したのではないだろうか。
 その他の人物も同様だ。すべての人物が「ネプチューン・スピア作戦」実行までの駒に過ぎず、それまでに感じる葛藤などは「ほぼ」見えてこない。「ほぼ」というのは、作戦決行時に一兵士が困惑した表情を見せるシーンがあるからだ。だがそんな彼もコードネームで呼ばれる特殊部隊の1人でしかなく、あまりにも大きな事件の影に埋もれてしまっている。

 さらに「ビン・ラディン殺害」に対する監督なりの考えも一切見えてこない。いや、オリバー・ストーンのように自分の考えをゴリゴリ押し付けてくるのもどうかと思うが、「ゼロ・ダーク・サーティ」は一定の筋道ですら見せない。
 そもそもキャスリン・ビグローは社会派映画監督ではない。彼女は一流のアクション映画監督だ。自分の得意分野を理解しているからこそ、テロリズムにおけるイデオロギーを映画に込めるのではなく、作戦決行までの張り裂けそうな緊迫感を描く方を選んだのだ。
 だがこんなにタイムリーな題材を用いているのだから、何か「一つの答え」を提示することはできなかったのか。「ゼロ・ダーク・サーティ」が映画史に残ることは間違いないのだから、もう少し大胆なアプローチもを取っても良かったのではないだろうか。

 しかし先ほども言及した通り、キャスリン・ビグローは最高のアクション・サスペンス監督だ。テロリストによる自爆テロの場面はあまりのことに見ているこちらも息を呑む。会議室のシーンでさえも、(ビン・ラディンの潜伏先を発見してからは、あまりにもじれったいが)捜索に必死になるCIAたちの対決が見られる。ほとんど戦闘シーンは無いが、2時間半の上映時間で飽きがくることはまったくない。
 そして何と言っても、終盤の作戦決行のシーン。彼女の手腕が遺憾なく発揮された、手に汗握ること間違いなしの名場面だ。通常のカメラと緑色の暗視カメラに切り替えることで、闇夜に浮かぶ特殊部隊の不気味な姿が一層不安感を煽る。銃撃が開始されても、むやみやたらに撃つことは無い。標的を確実に、かつ静かに仕留め、倒れたその体にも銃弾を撃ち込む。冷静さと残酷さを兼ね備えた、リアリティあふれる場面だ。

 おそらくアルカイダに関連した映画はこれからも製作されることだろう。しかし、事件後わずか1年半後に公開された点、それでも最高のクオリティを保っている点でこの映画は歴史に名を刻むだろう。必見の作品である。

(13年3月12日鑑賞)

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キューブ

3.5「ていうかそういえばいつイラク戦争終わったっけ?」

2013年3月12日
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怖い

知的

戦争が終わると映画が作られる。

「ていうかそういえばいつイラク戦争終わったっけ?」っていう人達に向けてのメッセージ映画っぽい。
見終われば、確かに戦争終わったんだっていう感想を抱かせる。
こんな悲惨さは終わったんだ!だから新しい所へ歩んでいけるんだ我々は!
という思想に満ちてる=プロパガンダ映画に近いのかなー、と。

主人公をアメリカと重ね合わせて、主人公の真っ白な未来=アメリカのこれからみたいな隠喩で終演。
この主人公の趣味や過去が全く描写されない『職場以外に存在しない』かのような独特の主人公像は、見る人(アメリカ人)の意識の投影であるからです。『主人公をあえて描写しない』手法をとり、自己投影をさせようとする方法は『グリーンゾーン』にもありました。

次回作は今回の戦争で親を殺された人達が育って復讐戦争後かもね、期待しましょう^^

メッセージが押し付けがましいように感じるけどそれは当該事件を遠巻きに見ていた外人だからか、
当事者のアメリカ人だったら思う所あるかもしれないし、
バシバシ心を打つかも知れない。

だけど僕、アメリカ人じゃないし特に心に響かなかったです。
拷問が嫌いじゃなければ見るといいです。

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いずる

5.0忠実にただ忠実に。これがハリウッドだ!!

2013年3月11日
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興奮

知的

難しい

見終えた後は、ただその細部までにこだわったシーンが焼き付き脳裏から離れなかった。事実はその場にいないとわからないと思うが、この映画は見るものにその場を巻き戻して見せてくれる錯覚を起こすような映画だと思います。実際報道でしか断片的に情報がはいってこなかったのですべてを把握している訳ではなく、本作を見たが、はっきりいって衝撃を受けない人はいないと感じた。なぜなら、時代の大転換期の終焉と始まりを告げるできごとだからだ。IT革命の幻想と形あるものが一瞬にして崩れてしまった9.11は、これまでの希望を打ち砕いた。一瞬にして。この事件を受けて世界はより身近にそれぞれが影響されあって相互依存しなければ成立しない時代がやってきたと思う。その時代の大変換期のエピローグを本作は忠実にただ忠実に再現、描写している。しかも驚いたことにここまで細部にこだわっている職人気質の映画であることも個人的には驚いた。うん。素晴らしい出来だと思う。

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yuri8

4.0佳作

2013年3月10日
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知的

ビンラディン暗殺作戦というセンセーショナルな主題を扱っていますが、映画として見ると、主演ジェシカ・チャステインの演技が光っていたように思います。
全編を通じてダレることなく、適度に起伏のある緊張感が続きました。荒削りな娯楽戦争映画などとは全く違い、とても丁寧に作られた作品。満足感がありました。

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ブースカちゃん

2.5ミリオタ向けでは無い

2013年3月9日
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鑑賞方法:映画館

いかにもミリオタ向けの映画かと思わされるが、ラスト20分位からようやく盛り上がる。
正直2時間30分は長すぎる。
はじめから分かっていた事ではあるが、そんなに過激な戦闘シーンがあるわけでもなく、
地味な映画だと思う。
やはり、事実をベースにしたらこうなるんだろう。

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maaamaam

5.0渾身の演技と渾身の物語

2013年2月28日
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悲しい

興奮

知的

傑作。

まず物語に言及するよりも兎に角、先に触れておくべきが主演のジェシカ・チャステインでしょう。凄いです。渾身の演技ってのはこのことを云うんじゃないですかね。

正義と呼ぶには拷問やら殺人が横行する血濡れた稼業。悪と呼ぶにはその大義が意味する処を思えばグレーの世界。
そんな只中に放り込まれた新人CIA。彼女がビン・ラディン暗殺を画策する凄腕エージェントに成長を果たすまでの一大エピック。
見事に演じ切っておりますよ、ジェシカさん。
物語冒頭の拷問に閉口しつつ、やがてそれも『毒を喰らわば皿まで』的に受け入れてく、否応なしで身に付けるタフネス耐性。
何度も命を狙われながら、決して任務遂行の手を弛めぬ、ある意味で意地にも似た狂気的信念。
あまりに不甲斐ない上司に激昂し顔筋歪めてキレる心情吐露しまくりの鳥肌モノシークエンス。等々。

素晴らしいです彼女。あんだけの登場人物、アンサンブルなキャスト揃えてるにも関わらず、主演ジェシカ・チャステインの一人勝ち。独壇場。

―な、安定(?)した主役を据えての、肝心の物語の方なのですが。

これもこれも。ストーリーも秀逸。
終わりの見えない、気が遠くなる程に長い年月の追走劇。
掴んだ証拠はどれも霞の如く手指をすり抜けていく。不透明で空虚な証言の数々。
諦めムードも許されない精神疲弊の孤独な環境。

しかし。
それでも着々と、着々と首謀者ビン・ラディンに近付き行くアプローチ感。
結末は世界中の誰もが分かってるのに、この固唾を飲まされる緊迫感。
恐らく今年度で1番強いられたであろう、切迫した緊張感。
どれを取っても一級品。

このブロックを一段づつ積み重ねるが如くの丁寧な物語運びが、エンターテインメント性を廃しつつ、だけどこれこそ寧ろエンタメだったんじゃないか、という映画的カタルシスを用意されたラスト。
非常に面白かったです。

傑作。

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ロロ・トマシ

3.0長い

2013年2月27日
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難しい

いつかは映画化されると思ってたビンラディン暗殺ミッション。
ただこの映画は、女性係官目線で、しかも8年くらいに渡った調査の上ようやくアジトを見つけるという展開。それ2時間半の尺で延々やってるので、まぁ途中飽きますよ(笑)
肝心の暗殺現場も、夜中の作戦決行なので映像が真っ暗。暗視カメラ使ってアジトに忍び込んでるけど、これ映画なんだから照明当ててもよかったでしょ(笑)
題材は興味深かったけど、思いのほか欠陥が目立つ作品。

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ジョン

4.0失敗で失うものより、やらずに失うことの大きさ

2013年2月24日
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興奮

知的

世界中の誰もが知る2001年の反米テロ組織アルカイダによるニューヨークの9・11同時多発テロ。その首謀者・ビンラディンは行方が掴めないまま年月が過ぎるが、2011年5月11日、パキスタンの地方都市アボッターバードの潜伏先を急襲した米軍特殊部隊によって殺害される。この極秘作戦をクライマックスに据え、作戦実行に至るまでのCIAによるビンラディン捜索活動を克明に描いたのがこの「ゼロ・ダーク・サーティ」だ。タイトルは深夜00:30を意味する軍事用語。

ブラック・サイトと呼ばれる米軍秘密基地での拷問や、CIA組織内での攻防、中東諸国の何を見て何を信じればいいのか右も左も分からない雑多とした拒絶感など、キャスリン・ビグロー監督の演出は相変わらずシャープだ。
手持ちカメラを故意に揺らしたり無駄に顔をアップするような小手先の描写がなく、第三者のクールな目で捉えられたような映像はドキュメンタリーを見ているようだ。
突然の爆発や心理戦など、映画的な描写をつける技もクリント・イーストウッドなみだ。

映画のオープニング、9・11同時多発テロ事件での死を迎える直前の被害者と家族や警察との電話の肉声が真っ暗ななか交錯する。スクリーンにあのときの映像を流したりはしない。何もない真っ黒なスクリーンに、観客は皆、頭のなかのあのツイン・タワーの映像を想い描いたに違いない。観る者を信じて作品から贅肉を削ぎ落とすキャスリン・ビグローの思い切りのよさが出ている。

監督の緻密だが潔い性格と主人公のCAI情報分析官マヤのしたたかさがリンクする。周りの男たちがビンラディンが潜伏する確率に100%を求めるのに対し、失敗することよりも何もせずに失うことを恐れるマヤは、作戦の実行を上に対し強引に進言する。
マヤの分析能力と何年にも及ぶ執念が実を結ぶわけだが、そこには条件を引き算していくだけではない彼女の決断の大胆さがある。

作戦は成功するが、マヤは世界の至る所に見えない敵を作ってしまったに違いない。今もCIAの任務に就いているようだが、いつこれまでの人生を断ち身を潜めなければならない事態になるか分からない危険を抱える。
たったひとり、C-130輸送機のドロップゲートが閉じても彼女の髪の毛が揺れ続ける。任務完了の開放感にそよぐ風というよりは、行くアテもなくぽっかり空いた心の穴に吹き込む隙間風に見える。

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マスター@だんだん

3.5観て良かった!!!

2013年2月24日
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興奮

知的

前半はまだ少しのんびり感が漂ってて眠いのを我慢するのに必死でしたがビン・ラディンの名前が出て来た辺りから集中出来ました。
特にヘリからの突入、作戦は物凄い緊張感が伝わりニュースで見たあの衝撃的なシーンとリンクして手に汗握りました。
誰もが知ってるあの凶悪なテロ事件をとてもリアル感がある映画に作ったのでその分盛り上がりに欠ける所もありましたが結果それが良い方向に行ったと思います。

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アンちゃん

3.0観てよかったのかな?

2013年2月23日
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悲しい

怖い

2001年9・11起きた同時多発テロこんな事がアメリカで、ありえない、あのツインタワーが本当に衝撃でした。
関連した映画ユナイテット93はドキメンタリーを観ているのかと錯覚するほどで、
テロリストに立ち向かう乗客たちの混乱と勇気、最後のメッセージに嗚咽しました。
映画終わってもほとんどの人がすぐ立ち上がらなかったのを覚えています。

そして今回はその首謀者オサマ・ビンラディン暗殺に関わった人々。
ただ淡々と事実?だけを写していく、拷問や多くのテロシーン悲しむ暇もない。
作戦決行の日のオサマ・ビンラディンの住む現場は子供たちの泣き声、女性達の死、達成感など何処にもない。
CIA女性分析官マヤと決行部隊の心情は? すべてを観客にポーンと強く投げてくる。

これを映画にした事で、マヤ(仮名)は普通の女としてこの先の人生を送れるのだろうか。
英雄として持て囃される訳もなく、報復に怯えながら密やかに生きなければならないのなら、
彼女も被害者なのかも知れない。専用飛行機に乗った時の彼女の涙は決して誇らしげでは無かったもの。

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メイばば

5.0‘ハートロッカー’に続きズッシリ。

2013年2月22日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

ストーリーはご存知の通り。
ビンラディンを見つけたCIAの女性情報分析官のお話。
とにかく、派手なアクションシーンとかほぼないのに、全編緊張感とすごい張り詰めた空気が続きます。
これは、実話だから?
ワンシーンワンシーンのつなぎ方やひとコマひとコマの映像全てがピーンっと張り詰めているからだと思います。
とても女性監督とは思えない。ガッツリ男映画になってます。
主演のジェシカチャスティンもすごくよかったです。
高卒の何の功績もない彼女が執念でオサマを追い詰める。
ひしひしとその感情が伝わってきました。
ラストシーンは喪失感?絶望感?の涙?
9.11テロで多くの人々が犠牲になったけどどこからスタートしてこうなってしまったのか。
ビンラディンを見つけ出したことで問題は解決したのか?
この話にしても‘衝撃の実話’ということだけど、あくまでも‘証言にもとずいて’出来上がったお話だし…。
どう考えるかは人それぞれなんでしょうね。
とにかく‘必見!’と僕は思います。

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peanuts

4.0「社会現象」ではなく「社会問題」を引き起こした映画

2013年2月21日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

CIA局員の活動を描く実話に基づいた作品と言うところだけを取れば「アルゴ」と同じ種類の映画.

証言に基づいたノンフィクションということだったので「アルゴ」のようにCIAの功績をたたえる映画なのかと思ったが,まったく違った.

この映画は決して特定の人物に感情移入させるような方向に観客を誘導するような作り方はしておらず,あくまでもCIA局員の女性の様子を中心に事実を淡々と描写することで,ビンラディン殺害作戦という世紀の大捕り物の全貌を明かしていく.とくにクライマックスはスリル満点.作戦の結果は既に知っているのに,思わず見入ってしまう.クライマックスだけでもチケット代の元は取れる

そして最後まで作り手の作戦に対する明確な主張が打ち出されることはなかったように思った.それでもビンラディン殺害作戦とは何だったのか,正義とはいったいなんなのかなどなど,見る側に提起された問題は結構多かったように思った.158分と長尺の映画だが,見終わってからも考えることが多く,非常に長時間味わえる映画だった

PS.ニュースでは既出の通り,この作品,拷問描写が大きな議論を巻き起こしアメリカ議会でも問題として取り上げられました.当事者へのインタビューに基づく映画であればこそできる,社会に向けた問題提起なのかもしれないとおもいます.
「社会現象」になる映画はすくなからずありますが,作品それ自体が「社会問題」となって議論の的となるような映画は珍しいなぁ.

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s'il vous plaît!

4.5真実と虚構のベール、その向こう側。

2013年2月19日
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悲しい

知的

心せよ
亡霊を装いて戯れなば
汝 亡霊となるべし

ゼロ・ダーク・サーティ。午前0時半を示す軍事用語。それはオサマ・ビンラディン襲撃作戦の決行時刻であり、この映画においても大きなターニングポイントとなる瞬間だ。

映画は闇の中から始まる。スクリーンを覆い尽くす漆黒の闇の中から、あの9月11日に交わされた無線や電話の断片が次々に聞こえては、消えてゆく。悲痛な声、励ます声、瀬戸際のギリギリのエッジを、遺された音声がまざまざと物語る。あの時、たしかに存在した、それぞれの物語、それぞれの感情、それぞれの痛み。

そして、沈黙。

その後に続くアルカイダの容疑者への拷問は、アメリカの執念の実体化であり、尋問を行う担当官は復讐の擬人化だ。

当初、主人公のマヤはその光景に強烈な嫌悪を覚え、目を背ける。「釈放は?」と問いかける彼女の立ち位置は、まるで容疑者の弁護士だ。そう、彼女はビンラディンを追跡する狩人、CIAの精鋭でありながら、この時点では容疑者に同情を覚え、その立場に立って発言しているのだ。

だが、諜報活動の困難さ、さらに苛烈を極めるテロ攻撃にさらされる中、彼女の意識は次第に変貌を遂げてゆく。彼女自身も生命の危険にさらされる中、ついに同僚がテロリストの手にかかる時、なにかが崩壊する。あれほど拷問を嫌悪していた彼女が、正気を疑われるほどに捜査に執念を燃やし、ビンラディンへと繋がるかすかな可能性を死に物狂いで辿ってゆく。アメリカという国家の憎悪、執念、妄執をまるでマヤ一人が全て体現するかのように。

そして映画は、運命のゼロ・ダーク・サーティを迎える…。

関係者への地道な取材を重ねに重ねて練り上げられた脚本は、映画のための脚色を含みながらも、真実のピースをふんだんに盛り込んでいる。驚くべきは、世界にその名を轟かせるCIAの、綱渡り的な危うい諜報手法だ。逮捕した容疑者への徹底した尋問。時には拷問をいとわず、自白させた情報から新たな獲物をあぶり出す。目の前の端役から連絡役へ、よりビンラディンに近い幹部へと繋がる糸を手繰るべく、情報を得ること。当然、嘘もガセネタも混入するし、目の前の苦痛から逃れたいがために事実を歪曲される恐れもある。しかし確たる裏付けのないまま(そんなモノをいちいち取っている余裕はない)、状況証拠や口述の情報をかき集め、ひとりの男を描いたパズルを完成させようとCIAの最前線は盲目的に突進を続ける。そのさまはまるで霧の中を手探りで歩いてゆくかのようだ。

テレビ、新聞、雑誌、さらにインターネットに囲まれ、進化したケータイからは手のひらに世界中の情報が届く現代。あらゆるものが自明のものであるかのように錯覚しがちな社会にあって、しかし諜報の最前線にあったのは、光を求めることも叶わないまま闇を歩き続ける人々の姿だ。なにが正しく、なにが間違っているのか、確かな手応えが存在しない世界。

興味深いのは、この映画もまた、虚構と真実を巧みに織りあげて作られている点だ。たとえば、ビンラディン襲撃の際に用いられたステルス・ヘリは存在するが、そのデザインや性能諸元は現在も公開されていない。似せて作られているが、本物ではない。登場人物達もまた、当然ながら本名は異なるし、実際には遙かに多くのスタッフが諜報活動に携わっている。

緻密な取材という強固な基盤はあっても、全てを知り得ているわけではない。シナリオの隙間を埋めるモノは、やはり虚構だ。映画製作そのものも闇の中を手探りで進行していったのに違いないし、鑑賞する我々もまた、この映画の何が真実でどこが虚構なのか、と疑いながら付き合うことになる。

つまりこの映画は、真実と虚構が作品・制作・観客のあいだに横たわる構造になっているのだ。それはメタフィクションであり、現実とはなにか?という問いに対するひとつの回答でもある。

ゼロ・ダーク・サーティを迎えてから、映画は怒濤の進撃を行う。果たして邸宅の深奥に待ち受けるのは本当にビンラディンなのか?幾重にも重ねられた闇のベールの向こうに見いだされるものは真実なのか。その問いは、作品完成の命題を背負った制作サイドのものであるし、真実を見極めようとする我々のものでもある。

だから、この映画が本当の意味で映画となるのは、実はここからであり、架空のキャラクターであるマヤがその答えを迫られるのもまた、この先にあるのだ。

実は主人公も、実在の人物をモデルとした架空のキャラクターだ。ビンラディンを特定した実在のスタッフは女性だが、名前はマヤではない。その虚構の名「MAYA」はサンスクリット語で「幻影」を意味する。仮の名を託する時、なぜこの名が選ばれたのか。これは単なる偶然なのだろうか?

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蒔島 継語

4.5最高級のノンフィクション

2013年2月18日
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知的

CIA職員がこんなに亡くなっていたとは。知らなかったことがたくさんあり、歴史を知るという意味でも貴重な一本。映画としてもラストに向けてうまく盛り上げて作っている。中東で、よくもこんなロケができるもんだ。

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ガク

5.0世界が変わって見えてくる

2013年2月16日
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悲しい

興奮

知的

ビンラディン殺害まで何があったのか、それを知るためにこの映画を見る必要がある。テロ首謀者とされるビンラディンを見つけ、殺すことにより、CIA、つまりアメリカは次々と起こるテロ事件を終わらせたかったはずなのだが、それはテロ事件への報復としての「殺害」といった形に見えてしまう。テロを終わらせたいはずがテロ集団への復讐、そしてテロを行う奴らへの憎悪、それは憎しみの連鎖でもあるのではと思わせられる。ぼんやりと知っていたオサマビンラディン殺害事件をこの映画を見ることで、その意味するものについて見る者に様々な感情を引き起こす。テロ首謀者ビンラディン殺した後に見えてくるものは何か?それを観客一人ひとりにつきつけてくる。2度、3度と見たくなる映画ではない。しかし、見た後では自分を取り巻く世界が必ず変わって見えてくるはずである。必見の映画。

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kz

5.0テロ戦争の現実を直視

2013年2月16日
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知的

9.11の映像とそれに続く拷問シーンから始まるこの映画は、日本人の我々が知らないテロ戦争の最前線の現実を事実に沿って忠実に再現している。あのオサマ・ビン・ラディンを追い詰めたのがうら若い女性のCIA分析官だという意外感も手伝って、その後の息をつかせぬ展開にぐいぐい引き込まれてゆく。
現実を直視させるその説得力とビグロー監督の手腕に圧倒される。この映画に余計な感想や評論は無用だ。

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如月次郎
PR U-NEXTで本編を観る