「憎しみと愛とは紙一重」さよなら渓谷 もんさんさんの映画レビュー(感想・評価)
憎しみと愛とは紙一重
子殺しの容疑者を囲むマスコミが群がる部屋の隣で、静かに激しく体を貪り合う男女。あからさまな「今」から始まるこの作品。
物語は複雑に見えるけれど、一本一本の糸はとてもステレオタイプ。だから、複雑に見える物語も「複雑さのステレオタイプ」になっていたように感じる。もっと消化不良にさせるシーンがあったら、もっとリアリティーを感じられたはず。
人を愛することと憎み続けることはほんの紙一重。そんなことを考えさせられる一本。
人間存在の小ささと意外な深さ、人を拒絶する強さと拒絶した人の心の傷を探す弱さ。
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