「情報を絞りすぎた」監禁探偵 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
情報を絞りすぎた
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面白そうだと思っていたのに、忘れていた。結構よくある事なんだが、「監禁探偵」もその1本。
双眼鏡である女性の部屋を覗いていた「男」、部屋で不穏な動きを発見し駆けつけて見れば女性は死亡。女性を訪ねてきた「謎の女」に運悪く見とがめられ、やむなく「謎の女」を監禁する…。
何で監禁?!みたいなツッコミはとりあえず置いといて。と言うか、この映画は観ている我々サイドに与えられている情報がかなり少ない。
極端に言うと、ほぼ無し。
だから何かツッコミたくなってしまう。
映画が始まった段階では、偶然の目撃者と間の悪い女友達にしか見えないように、あえて作られている。
その実、男(三浦貴大)には男の、謎の女・アカネ(夏菜)にはアカネの思惑と筋書きがあり、相手をどうコントロールして目的を達成するか?という駆け引きが繰り広げられているのだ。
そんな事も露知らず、体のバネでベッド動かすとかスゲー!パンツ見えそう!などと観ている方はのんきに構えているのである。この功罪は大きい。
あまりにも与えられている情報が少なかったせいで、後付けの帳尻合わせみたいな感想が生まれてしまうのは忍びない。監禁されるまでの間に男にも女にも、何か裏がありそうだと思えるシーンがあれば謎解き部分で大幅に加点出来た。
隠されていた部分が明るみになれば、アカネはある程度、男の正体にアタリをつけていたことがわかるし、目を覚まして最初に「お前は誰だ」と男に聞かなかったことなど、ツッコミたくなるような不自然なやり取りも全く不自然じゃなくなる。
結構凝った出来なのに少し勿体なかった印象だが、ほとんど二人ぼっちのやり取りで映画を成立させたのは素晴らしい。
個人的には結構楽しめた。
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