劇場公開日 2013年5月11日

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「ま、こんなモンでしょう」探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 ジャッカルさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ま、こんなモンでしょう

2013年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

この映画は、原作イメージをどこまでスクリーンで再現できるか、と言う実験と考えているので、大泉洋、松田龍平、ゴリってキャスティングで完全に成功していると思う。
これが1作目ならば「面白い実験だった。」て事で4.0くらい出したんだけど2作目で、主役2名が前回と同じ、てのがよろしくなかった。

そもそも原作自体、映画でシリーズ化する、てのに向いてないんじゃないですかね?アレは基本的に文面がハードボイルド調と言うだけで、中身カラッポでどれ読んでも話の内容に代わり映えが無いので、同じ主役で原作をそのまま台本にしちゃうと、キャラクターに新鮮味は無いし、話はつまらない。つまり今回みたいな結末になるんじゃないかなぁ。
今後も同じキャストで続けるなら、台本を何とかしないと長続きしないと思います。キャラだけもらって短編でバリバリ書ける作家に話作ってもらうとかできないんですかね?
うん。きっとそうだ。コレ、映画用に必要なトコだけピックアップしたら、30分くらいで終わっちゃいそうになって、仕方なくマスク軍団との抗争シーンとかをツナギでいれまくったんじゃないですか?それだけだと間が持たないし必要性もよくわからないので、原発問題を取り込んでみた。結果、お猪口一杯くらいのカラッポのお話が丼一杯の薄~くてなんでもない話になっちゃったと。
原作者のシリーズ読むとわかるけど、さっき書いたように文調がハードボイルド調と言うだけで、状況表現がその文調でクドクド書かれているだけなのと、周りをこき下ろして「俺って高尚!」て言いたいだけなので、話をそのまんま映像化しても限界は速いんでしょうね。(そもそもアレをハードボイルドと言う評論家もそれを黙認する作家も理解不能。上手い人は何ページも前とか前作にさりげなく張った伏線を一撃で展開して分からせるてのの連続。)
じゃあミステリーかって言うと、ミステリーファンに一番嫌われてるアンフェア展開してるしね。
むしろ、矢作俊彦のマンハッタンオプとかを肉付けしたほうが良いかもしれませんね。

あ、今思ったんですけどね、原作てか小説の世代交代みたいなの考えると、大藪春彦部門は谷月秀作、北方謙三部門は原りょうですね。本作の人はあえていえば、椎名誠の怪しい探検隊ってところかな?

ジャッカル