「ハードボイルド小説なのに、映画になるとコミカルになります。」探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
ハードボイルド小説なのに、映画になるとコミカルになります。
2011年に公開の映画『探偵はBARにいる』の第二弾。
前作では原作の「ススキノ探偵シリーズ」の2作目「バーにかかってきた電話」がベースになっていたが、今回は同じシリーズの5作目「探偵はひとりぼっち」がベースになっている。とは言っても、小説に対して、だいぶ内容を修正している。マサコの死に橡脇孝一郎が絡んでいる所、あと、結末もだいたい原作を活かしているが、それ以外の所は映画オリジナル。それはそれで、映画としては成立しているけどね。
原作者の東直己がカメオ出演。少なくとも、2つのシーンで発見しました。最初のTOM BOYS PARTYのシーンと、最後の方で“俺“が入院しているシーン。特に、後半のシーンでは、東直己も入院している設定のようですが、フラスコに入ったお酒を飲んでいるように見えました。原作者がカメオ出演しているくらいなので、原作小説と映画の違いは、問題ないということなんでしょう。
ところで、佐藤かよ、こう言うの良いんだ。本人がカミングアウトしているから問題はないんだろうけど、モデルとしてのイメージに影響はないのかな?って言うか、佐藤かよの場合は、ニューハーフとかではなくて、性同一性障害みたいなんだけどね。彼女(彼?)の場合、普通のニューハーフ役よりも、元自衛隊員で武道の達人のアンジェラ役だったら面白かったのに。
尾野真千子は、今回、バイオリニストの役と言う事で、指使いが嘘だとバレるのが嫌でバイオリンを練習したらしいんですが、時間に限りがある(あまり練習できなかった=指使いがバレる)ということなんでしょうね。演奏シーンは殆ど無かったですね。でも彼女、その美貌と関西弁の喋りのギャップが何とも・・・。それが良いのかもしれませんね。
ところで、小説で読む「ススキノ探偵シリーズ」は、文字通りハードボイルド小説なんですが、映画になると、どうもコミカル。ハードボイルドの欠片・・・くらいは有るかもしれませんが、基本的にはコミカルな調子です。この落差は何処からくるものなのか。あんまりハードボイルド過ぎると、硬くなるからと言うことなんですかね。ちょっとその辺りが釈然とはしません。