「甘美なエロスと狂気」甘い鞭 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
甘美なエロスと狂気
鬼才・石井隆監督のエロチック・サスペンス。
高校生の時に隣人に拉致監禁・性的拷問を受けた奈緒子。成長した彼女は女医として働く傍ら、夜はSMクラブのM嬢の顔も持っていた…。
エロス!狂気!異常な性的嗜好!
石井隆監督が、その手腕を存分に奮う。
これまでの監督作を見ても、ただエロい、ただグロいだけではなく、人間の内面を掘り下げるのが、石井隆。
SMクラブでSの興奮に目覚める奈緒子。かつてのトラウマ時に感じた“甘い味”を再び求める…。
長らく拉致監禁されていると、相手に特別な感情を抱いてしまうストックホルム症候群というのは聞いた事あるが、奈緒子の場合忘れられないのは、あの時感じた恐怖と苦痛の中の甘美な味。
恥辱を感じつつの性的興奮…なかなか変態的であり、分かる人には分かる、分からない人には分からない精神世界だが、石井隆は有無をも言わせぬ描写で見る者を圧倒させる。
成長した奈緒子を壇蜜、高校生の奈緒子をグラビアアイドルの間宮夕貴がそれぞれ扮し、大熱演!
壇蜜は「半沢直樹」の時もそうだが、たどたどしい喋り方でお世辞にも演技が巧いとは言い難いが、今回ばかりはこの役は、壇蜜にしか演じられないだろう。勿論エロチックでありながら、品のある美しさ、見る者を陶酔させる恍惚の表情…。そしてSに目覚める鬼気迫る演技もなかなかのもの。日本の女優たちの中でここまで出来る者は居るだろうか?
間宮夕貴も圧巻。力ずくでレイプされ、殴られ、鞭打たれ、ほとんど全裸。奈緒子の内面を掘り下げる為にも、物語の進行上においても、非常に要となる存在であり、それに見事応えている。
また二人とも、縛られ、吊され、M字開脚されての鞭打ちというAV丸出しのSMプレイがあり、大興奮…いやいや、その体当たりの姿には拍手を贈りたい。
石井隆がエロスと狂気の世界へ誘う。
決して変態映画ではない。
ダークで甘美な味の虜になる。
近大さん
こんにちは。
非日常なSMをテーマとしていて、
まさに壇蜜ワールド炸裂でした。
話題性が高くは有りましたが
1作品としてみても良い作品だと思います。
なかなか大手を降っ見づらいので
出版社先のホテルで鑑賞しました。