「映像が綺麗だっただけに惜しい」オブリビオン yujiさんの映画レビュー(感想・評価)
映像が綺麗だっただけに惜しい
こういう人間とは何か?みたいなものを考えさせられる映画は割と好きでずっと考えているんだけど、結局答えはなく、それが人間なんだと意味不明の結論で終わりにして、飯食って寝るってのがお決まりのパターンなんだけど。
オブリビオン(忘却)というタイトルでSF映画でいかにも!っていう感じがして見てみましたが、難しいようでけっこう単純な映画なのかなーと思いました。
要は、エイリアンが人間のクローンを使って、人間を侵略するっていう映画ですよね。で、そのクローンの一人が自身の人間性を取り戻し、エイリアンを逆に始末しに行くという結末。
そこに、記憶とは何か?人間らしさとは何か?愛とは何か?
みたいなテーマが絡んできて、難しそうに作ってあるけど、僕はその前に何の為に戦争してんの?っていう疑問が拭えず、ワクワク感を味わえませんでした。
まず、エイリアンから。
なんで、月を破壊したの?んでもって、地球の何が欲しいの?住みたいの?海水を掬い上げて核エネルギーにするとか言ってたけど、その核エネルギーを使って何がしたいの?なんで、無人戦闘機を使ってチミチミと残党狩りを行ってるの?それこそ、クローン使って一気にやっつけてしまえばいいのに。クローンの総攻撃を止めた理由は?そもそもサリーだけだったらずっと宇宙にいてもいいんじゃない?仲間はいるの?でも、3年間平和だったら多分サリー単独のエイリアンだよね?
緊迫感がないのは、地球を侵略するということに対して意味とか目的がないから。これじゃあ観ている人は燃えない。
人間側。
ジャックが最後の希望なのはわかった。それにしては、泳がせすぎじゃない?ジャックが死んだら最期でしょ?あと、ドローンって案外弱くない?急所撃てば案外人間の方が勝っちゃう気がするんだけど。ドローンが足りないってサリーが言ってたし。
こうして考えると、戦争の意味ってところがこの映画の脚本が甘い部分だと思う。ただ、映像は素晴らしい。ブルーレイで観て良かった。