「人は皆、死ぬ。問題は、どう死ぬかだ」オブリビオン シンプルさんの映画レビュー(感想・評価)
人は皆、死ぬ。問題は、どう死ぬかだ
ジャックはつぶやく。
人は皆、死ぬ。問題は、どう死ぬかだ。
確かに。
巨万の富を持て余す富豪だって侵略や虐殺を繰り返す独裁国家の主席だって、我々一般市民と同じ様に死ぬのだ、呆気なくそして確実に。
であれば、だ。
理想の死とは、苦境と対峙し、命を祖先の霊と神々に捧げることであるとジャックは語る。人工知能であるテットに対して。
ジャックの言葉は、命というものをクローンのような物理的創作としてでしか知らないAIに対するアイロニーとも受け取れる。
がしかし同時に、ジャックは我々に確実に問いかけている。生だとか死だとか愛だとかいう、身近でありながらもその価値の混濁した現代社会の中で、君たちは何のために生きるのか、そして死ぬのかと。
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