劇場公開日 2013年5月31日

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「終末世界の美しさ」オブリビオン ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5終末世界の美しさ

2013年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

あっちこっちの映画から良いとこ取りのSF要素をこれでもか!と抽出し、それを独自解釈に咀嚼し反芻して、全てのピースを破綻することなく巧みに組み上げて行ったであろう脚本と、これまた最高にエキサイティングな演出で以って一大エピックに仕上げた壮大なSF映画ですな。
ええ。最高に好きです、これ。

荒廃した世界に未来的に浮き出たビジュアルの建造物、ガジェット、コスチューム。曠野に清潔感伴う白の対比でより浮き立つというかね。
この異世界へと変わり果てた地球の景観を心ゆくまで堪能できるという、疑似的終末世界ツアー。
前半で存分に世界観提示をこちらに与えると、粛々と、でも確実に始まって行く、じんわりなのに衝撃展開を繰り広げるストーリーの進行具合。
緊迫感溢れる敵との攻防は、まるでゲームの映画的展開を敢えて取り込んだかの様で、ゲームからその演出を逆輸入してきた感じ。またそれが巧く作用してます。

この映画の監督、ジョセフ・コシンスキーは心の底からSFに傾倒してるんでしょうなぁ。
だって長編映画は『トロン:レガシー』とこの『オブリビオン』のまだたった二本なんでしょ?なんですかねこの大御所感。
吃驚しますよ。

いやあ、ガチのSF映画堪能するってのぁこういうことですよね。
良かった良かった。最高です。

ロロ・トマシ