「あらいやだ、」オブリビオン 病気の犬さんの映画レビュー(感想・評価)
あらいやだ、
それなりに良くできたSF映画であることは確かであるが、10年ほど遅かったという印象。10年でも効かないかもしれないけれど、とにかく設定がありがちにつぐありがちなのがつらい。展開が読める=つまらなかった。というほど単純に考えはしないが,様々な真実が浮き彫りにされていくところを楽しむ映画なのに、こういうパターンかな。と思えばそうなるし、そうなりすぎる。これは僕に映画を観る目が有るというような話ではなくて、SF映画を多少観ていると、あの映画だとこうなったなあ。みたいな思い出がよみがえり、その瞬間映画内でもそのようになっていくかんじ。
過去のSFのびっくりポイントをそのまま拝借してきたような設定であり、その再構成の技術の高さは素晴らしいものの、継接ぎの映画に見えてしまう。いろいろと新しさがあるようで新鮮味が非常に薄いのが残念。それでもその構成力とシークエンスごとの面白さは十分にあり、こんなものかなと思ってたらラストで苦笑い。読めるっちゃ読めるけどそこまでする、今時?というラストです。
例えば戦闘機でドローン?と戦うシーンなんかジェダイの復讐からやってるし、荒涼とした未来の映画はまあいくらでもあります。その中にレコードがあってみたいなのも見たことあるし、主人公達の家なんかも目新しさにかけます。唯一良かったのはテーブルがPCというかタッチパネルになるところ。なぜ数万人のトム・クルーズ対米軍のシーンをちょっとでも入れなかったのでしょうか、勿体無い。やったところでマトリックスですが。
正直SFファンからしては物足りない映画でしょうし、デートムービーとしては女性には理解しにくい映画かも(話が難しいというよりは、SF慣れが要りそう)だし、高校生くらいの男の子が友達同士で見に行くような映画でしょうね。
けしてつまらなくは無いが、特筆すべき点があんまりない。