「地球滅亡と言う食傷気味な作品ばかりのハリウッドで、ちょっと趣が違っていて最高でしたよ!」オブリビオン Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
地球滅亡と言う食傷気味な作品ばかりのハリウッドで、ちょっと趣が違っていて最高でしたよ!
こう言う映画はネタバレしてしまうと面白さが半減してしまうので、敢えて本作品に付いては、余りコメントをしない事にします。
そして、多くの映画ファンの方に、この映画を楽しんで貰いたいと映画を観終わった時に私は心から感じたとだけ、素直な気持ちを伝えておきましょう。
トムさまが来日した折、アクション+ロマンスもあって、見所てんこ盛りなので、2度は観て欲しいと意欲を語る程の自信作だそうだ。
私はこの映画を観終えて、帰宅してからその記事を読みましたが、なるほど映画を観終えた時に、「面白かったので、もう1度観る事にしよう!」と自然に思っていましたから、トムのその言葉が、直ぐに納得出来ました。
ジョセフ・コジンスキー監督の前作品は「トロン:レガシー」で、2011年のお正月第1弾の映画だったので、きっと多くの方が観られていると思いますし、その方々には記憶に新しいかも知れません。しかし、私は残念な事にJ・ブリッジスと言う渋くて巧い俳優が出ていたにも関わらず、見逃していました。予告編を観て、「この手の映画は観ないでおこう!」と決めた事を今でもハッキリと憶えています。それ故、今回の本作も、予告編では、余り意欲的にはなれませんでしたが、ヒーローを演じるのが、トムさまである以上は、映画ファンを失望させる程の大きなハズレは無いと見込んで、私にとっては、この初監督であるJ・コジンスキー監督の作品にチャレンジしてみたのです。
少なくとも、予告編に騙されてしまう作品ばかりが出揃う昨今の映画界の中で、この映画は、予告編で観た期待感を上回る作品でした。
トム・クルーズは、年々歳を重ねる毎に、スター俳優としての経験を活かして、ドンドンとプロ中のプロとして、素晴らしく成長を遂げているなと私は思います。しかし、彼が出ているから総ての点に関して手放しで良い出来ですとは決して言えない。満点と言う事では決してありません。前半は突っ込み処も満載です。
しかし、中盤からの転回を観ていると、「ほぅ~、そうきたか!」とちょっと予想外の展開が楽しめて、とても気に入ったのでした。
そして、今回のヒロインを演じているのも、オルガ・キュリレンコですから、それ程大きな作品に多数出演していないと言う点でも、新鮮味が有って良かった。
同じく、ヴィクトリア役のアンドレア・ライズボローも日本では「わたしを離さないで」他数本だけで、未だ未だ知名度が無い俳優を起用しているのも良かったと思う。
だが、その一方で、モーガン・フリーマンを初めとして、メリッサ・レオと言う名優をサリー役に起用している。彼女は「ザ・ファイター」では、主人公兄弟ボクサーのマネジャー兼、彼らの母親を見事に演じてアカデミー助演女優賞を受賞している。そしてこのサリーの、ラストのセリフが、これがまた面白いのだ。聖書の創世記を思わず思い出してしまうからだ。こうして歴史は繰り返されるのか?進化するのか?或いは退化しているのだろうか?と言う疑問が浮かぶ!やはりもう1度は確実に、私はこの映画を観る事にします!