「酷評する程では無い」オブリビオン ひんとさんの映画レビュー(感想・評価)
酷評する程では無い
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総合的にはSF、ぶっ飛んだ展開も酷評する程では無いと思った。
設定を理解するのに時間と言うよりも労力を要した。時間をかけて分かっていくのではなく、初めに説明が多かった。ただ、用語が多いというイメージは無く、出てきたワードは基本的に映像として表現されているため理解する事は容易だったかと思う。
主人公である、ジャック(トム・クルーズ)が自分のクローンとの戦闘を通して、自分がクローンであり、人類に対する敵であったことを理解していく展開は面白かった。確かに言われてみればな、となる伏線も感じられてよかった。
さて、ラストシーンである。本作で最も評価の別れる点である。
簡単に言うと、主人公であるジャックは敵船に乗り込み、敵船諸共自爆。
一方地球では、主人公ジャックと戦闘した別のクローンジャックが主人公の妻であるジュリア(オルガ・キュリレンコ)を3年かけて探し出す。
ジュリアはそれでいいのか、もっと言えば自爆した主人公ジャックはいいのか。誰が見ても疑問が残る終わり方だったと感じる。
私は、哲学におけるスワンプマンを思い出した。知らない方は調べて見てほしいが、簡単に言えば
"全く同じ記憶、見た目を持つもう1人の自分は自分なのかどうか"
というものである。
哲学であるが故に、賛否両論別れるのは仕方ない。精神の部分で個々を区別する場合は別人だが、他人から見たら別人では無い。
クローンというのは難しい題材ではあると思うが、それをオチに使うのは面白いというより、「好き」だった。
総じて私は好きな映画だった。
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