「青い影 忘却と再生」オブリビオン akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
青い影 忘却と再生
原題は、忘却。現在から60年後の地球。
AI対地球人。エイリアンの姿は出てこなかった。
60年後に自分がクローンになって、愛する妻と再会する話。しかも地球は、荒廃している。地上が見えない「高層タワーの高級住宅」に夫婦二人だけで住み、基本はドローンで、地上を監視している。実は何組もいるのだろう。ドローンの修理屋とその奥方が。別荘の管理人夫婦みたいなものだ。エリア毎に監視区域があるのだ。しかし横の繋がりは全くないようだ。
トム・クルーズ。モーガン・フリーマン
スリラー仕立ての未来もの。地球は、核弾頭による放射能汚染で荒廃し、月までもが、壊れている。その理由を地球を空から監視している警備兼管理人の夫婦(カップル)の夫が語るのだが、それは全て教えられた嘘だったというもの。
生物はほとんどいないが、ようやく生態系が復活し始めた時期のようだ。希望はゼロでない。
かなり複雑な話である。
マトリックスや砂の惑星ほどではないけれども、エイリアンと思っていたスカブが、じつは生き残りの地球人で、テットと呼ばれる宇宙にある司令部が、当のエイリアンの本部だったというオチ。こんな嘘をつけるのはとんでもないエイリアンである。
人間のクローンを何体も作れる技術をもっている。その時点での記憶まできちんと複製してあるが、戦争以前のエイリアンたちに不都合な記憶は消去したという設定。このへんがややこしい。スマートフォンであれば、プログラムとその内容まで完全なる複製をして、エイリアンにとっての不都合な記録を一部消去するというようなことか。
生き残った人類が、どのようにして生活しているのかやや不明である。エイリアンの強力なバッテリーを奪って保管して利用する技術を持ち合わせているらしいので、単なる原始人ではない。高度な文明を持っている。そこのところの具合がやや不自然だった。
あと、墜落してきたNASAの探索機から60年間冷凍されていた美女がでてくるのだが、ここもやや不自然だった。これだけ複雑な話を二時間にするのは大変だと思うが、映画のキモの部分なので、もうすこし説明が欲しい。
トム・クルーズ主演。単なる空飛ぶ修理屋ではなく、「橋の上のホラティウス」のような勇敢さを持って自分の身を投げ出し、未知なる敵と闘った。
自己の完全なるクローンも、自分そっくりの兄弟だと思えば、いいのだろう。
色々、明かされていない部分が気になる映画だ。
テットを操っている元締めの正体や、拉致された地球人はどうなったのか、60年間NASAの宇宙船はどこにいたのかなど。