劇場公開日 2013年10月26日

「マ・ドンソクにはゾンビメイクがよく似合う」人類滅亡計画書 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0マ・ドンソクにはゾンビメイクがよく似合う

2022年1月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ゾンビ、アンドロイド、小惑星衝突という三つの視点から描いた人類滅亡オムニバス。

第1話「素晴らしい新世界」(イム・ピルソン監督)
 よくあるゾンビストーリーではあるが、ゴミのリアルさで気持ち悪くなり、マ・ドンソクがいきなりの不良少年(?)役で登場したことで驚いた。兵役終了間近のソグと恋人ユミンを中心に描いてはいたけど、食物連鎖やアダムとイブにこじつけているところがユニーク。林檎殺人事件じゃないんだから、もっとふざけて作られても良かったかな。

第2話「天上の被造物」(キム・ジウン監督)
 世界中の衆生を対象にアンドロイドを作っている企業UR。その中のロボットRU-4が寺に配属されたが、修理に向かったチーム長が躊躇する。会長からは時代遅れだとして処分するように命じられるものの、RU-4はAIで悟りを開き、インミョン様として崇められていたのだった。
 アンドロイドの造形といい、動かし方によって陰影が表情を豊かにしていた。人間がロボットによって支配されるときも近い?などといった、SF映画にはありがちだけど、仏教の大菩薩と対峙するほど優れた僧侶でもあるロボット。この発想が面白い。犬ロボットや哲学的な押し問答はイマイチ。

第3話「ハッピー・バースデイ」(共同監督)
 小惑星が激突する!?その正体は8番のビリヤードボール。少女ミンソが壊れたボールを投げ捨てたことで、それが小惑星となって地球に激突するというストーリー。
 ホーキング博士のブラックホール理論まで持ち出して、異次元では何が起こるかわからないなどと空前絶後の事態発生に面白おかしい人間模様も描き出していた。ラストシーンはまさかの映像に驚愕!ペ・ドゥナもちょいと出演。

 全体的には面白いし、ありふれたテーマであってもコミカルな部分と奇想天外な発想がとても良かった。

kossy