「生き抜くことの素晴らしさ!家族の絆を想う刻。」インポッシブル ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
生き抜くことの素晴らしさ!家族の絆を想う刻。
非常に生々しい映像です。
あの地震を経験された方たちには、ホンっと身につまされるものがあったかと思います。
でも、こんな出来過ぎた話があったっていいじゃないですか。 百の悲劇の中で、たった一つの希望が見事に花開いたんです。素直に喜んであげようって気持ちで、感動しました。 実話の映画化ではありますが、やっぱり作品ですから、いくつかは脚色されていたかと思います。でも、そんなのはどうでもいいってくらい、リアルな内容にじっくりと魅入ってしまいました。
まず、あの津波のシーン。
いかにもプールで撮りましたってくらいに、澄んだ水が流れる映画が多い中で、この作品の水は実に澱んでいた。
そして、様々なものが流されていく実にリアルな迫力ある映像でした。 不謹慎だとは思いますが、まさにあの震災の時のニュース映像を思い出してしまいました。見るに耐えられない人たちも多かったことと思います。
そして、子供達がホンッと素晴らしかった。 特に、母親と共に行動する長男には、すっかり魅せられました。
母親を見失った時の子供らしさだけでなく、母親を支え続け、助けようとする男気。母親の胸を見て恥ずかしがる思春期の純情。
「スパイダーマン」のトム・ホランドの若かりし頃だったんですね。今回の再見で気が付きました。
母親役のナオミ・ワッツも最高です。あの美しい顔を含め、身体中を傷だらけにして、被災直後を見せ付けてくれました。
今にも死んでしまいそうな悲痛の表情、本気で心配になりました。
そりゃ、いくつか、文句も言いたくなるような出来過ぎた演出、ストーリー展開がなかったわけではありませんが、帳消しにするくらい素晴らしい作品で感動できました。
何度見ても、その度に涙ウルウルの一本です。