劇場公開日 2013年10月19日

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「その時、あなたならどうする?」眠れる美女 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0その時、あなたならどうする?

2014年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

今までに観たマルコ・ベロッキオの作品は2000年以降の『夜よ、こんにちは』と『愛の勝利を〜」で、両方共に見応えのある作品ではあったが、実際の事件や実在の人物を題材にした作品だったので、感情移入という点では難しかったことは否定出来ない。
今作も、イタリア国内の世論を二分する問題となった(17年間植物状態だった女性エルアーナ・エングラーロの)尊厳死の問題を題材にしている。
しかし、この問題はあくまで物語の背景であって、ここで展開される三つの物語はフィクションである。

延命治療継続の法案に対する賛成票を求められる上院議員ウリアーノ彼は病気の妻の懇願により自ら延命治療を停止した過去を持ち、以来父親が母親を死に追いやったと思い込んでいる娘マリアとの間に溝が出来てしまった。彼は自分の信念と党の意向、娘との間で葛藤する。

植物状態の娘ローサの看病の為にキャリアを捨てた元女優。
夫は妻の決断を受け入れていたが、女優としての母親を崇拝する俳優志望の息子は、妹のせいで母の女優としてのキャリアが犠牲になっていると考えている。

そして、自殺を図った薬物依存の女性ロッサと彼女を死なせまいとする医師パッリド。

人間らしく生きる権利と、死ぬ権利。
救える命と時として救えない命。
延命治療は誰のためなのか?

三つの物語の中の彼らの姿は観客に様々なことを考えさせる。
いつか何らかの形で直面する自分自身の問題として。

arakazu