「溢れる音楽、楽しい青春」ピッチ・パーフェクト 竜虎さんの映画レビュー(感想・評価)
溢れる音楽、楽しい青春
観てて、とても清々しい映画でした。
良かった点は沢山あって、続編が作られるのも納得です。
まず音楽、これはね本当に溢れてましたね。しかもただ溢れるだけじゃなくて、マッシュアップやミックスなどを上手く使って違う印象を与えるのも上手かった気がする。いやあんまり音楽詳しくないんですけどこれだけ沢山流れると、それだけでもう楽しい。
次にキャラクター一人一人を大事にしてたのも好印象でした。出てくる皆に見せ場や掘り下げがあって、出てくる全員可愛く見えて来て困りましたよ。特にベンジーはね、良い仕事してました。あとジェシー良い奴すぎるよ。女性陣はそれぞれ一癖あるけど、だからこそ最後にそれぞれが活きるんだよな。女性陣の一癖は観て味わうべきです。
あと脚本というか筋もしっかりしてました。簡単に言えば捻くれ女学生が自分の目的の為に仕方なく入ったアカペラ部で仲間を得て、青春を謳歌するっていう王道青春音楽映画ですね。だけど自分がいいなと思ったのは、ずっとベッカを振り向かせようと歌で問いかけてたジェシーが、一悶着あってきっかけを与えてくれると共に離れてしまうんだけど、最後は逆にベッカが歌で問いかけそれにジェシーが答えるっていう逆転構造、それと女性陣の裏でちゃんとベンジーやジェシーの心情描いて繰り広げられる男性陣のドラマ、自分なんか最後ベンジーが歌うシーンが一番鳥肌でしたからね、ここにもキャラクターを大事にする感じが出ててとたも良かった。
ただ残念な点もいくつかあって、一つはルームメイトの存在。もう少し話に関わって来るのかと思ったらただ嫌味と差別発言しただけ、これはアジアマネーを引き出すために仕方なく出したんだろうか?
あともう一つは一番の敵役が途中で退場すること。確かにこのおかげでベンジーにスポットライトが当たったけど、これじゃあ本当の意味で勝ったとは言えないでしょう。そのせいで最後のスッキリ感が薄まってしまった。いや勝負じゃない次元に行ったってのも分かるけど少し消化不良感が…
でもまあキックアスのマザーファッカーが出てたから許します。