「さとう監督じゃないとタイバニじゃない。」劇場版 TIGER & BUNNY The Rising 夏さんの映画レビュー(感想・評価)
さとう監督じゃないとタイバニじゃない。
結構同じ意見の方がいますがキャラデザが違いすぎますよね。ビギニングの絵とも全然違います。いまさら桂さん寄りの絵にされてもファンからしたら別物にしか見えません…。
最終回が冬、そのあとの春の話なのに顔が激変。目が小さくなったり頬骨削れてたり怖すぎです。
ヒーロースーツや私服のデザインもあと一歩ダメ出しがあればこんなにダサくならなかったのでは。監督変更のせいで全体のセンスがだいぶレベル下がってます。
オープンフェイスの合成もTV版のかっこよさと比べたらダサいしバランス悪いしなんであのままOKになったんでしょう。
そしてストーリー面でも脚本をコンテで生かしきれていません。アクションも演出も無意味の応酬。さとう監督はツボをおさえた演出と見せ方ができるのに。脚本家さんは何度もリテイクがあったとのことなので最後の興ざめポエムも無理やりいれたんじゃないかと思ってしまいます。あんな終わらせ方西田さんらしくないと思うんですがもし西田さん案ならタイバニらしさってものはすべて変わってしまったんだと諦める他ないですね。
ラストが本当にみんな幸せ~でつまらないんですが、そこでルナティックが一番性格を歪められたと思います。キャラごとの色んな信念がぶつかりあって向上するところもあればダークな部分も残るのがタイバニでしょ。あれじゃ日曜朝の本当の子供向け用のオチですよ。
タイバニが好きでさとう監督の作品も多数みましたがさとう監督のカラーがほんとにごっそり抜けたタイバニでした。時間の関係もあったかもしれませんが内輪もめとしか思えないソースもありますね。
今やってるアニメなんかもそうですがこんな内容で世に出すって、サンライズって会社の印象が悪くなりました。
ストーリーがどこかで見たことのあるエピソードのツギハギみたいな印象です。小さな時計屋が買収されてとかバカな悪人が懐に敵が忍び込んでいても気付かないとか悪い意味で単純明快です。それでも西田さんの脚本は要所要所でうまいですが、キャラの無言の心情描写やアクションシーンが大ざっぱなので台無しになってます。
さとう監督の状態がまるで虐げられている時の虎徹みたいだなあ、ライジングの虎徹って偽物みたいだなあって思いました。