メイジーの瞳のレビュー・感想・評価
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主人公に幸あれと願う
メイジーに
都合のいい人間としての振る舞いを求める
生物学上の実の親。
メイジーに
子供として振る舞うことを許容し、
人間として接した青年。
子供は、自立するまで、
庇護のもと生活するしか無い、
その庇護が一瞬外れた時、
ついにメイジーは泣くんですよ。
彼女が最初暮らしている環境の異常さは、
遊びに来た友達が泣き出すところで
印象的に描かれる。
でも、メイジーは気がつかない。
不当なことに対して
真っ当な反応を見せることによってしか
子供はそのことに気がつかない。
その意味で、青年が、
実の母親に対して示した態度は、
メイジーの転換点だった。
将来に亘って、
彼女に救いがあるとしたら、
その一点だと、個人的には思った。
最終的にこの映画を見て、
登場人物の名前を覚えていたのは
主人公のメイジーと
唯一まともな大人だった
青年リンカーンだけだった。
もっと話題になって良い映画でしょう。
架空ですけど、
少女メイジーに幸あれと
願わずにはいられない。
【”自分を愛してくれるけれど、身勝手な両親の姿を少女メイジーの瞳は見ていた。”仕事は大切だけれども、一番大切なのは我が子だと思うのだけれどなあ。健気なメイジーの瞳が印象的な作品である。】
■ロックシンガーの母スザンナ(ジュリアン・ムーア)と美術商の父ビール(スティーヴ・クーガン)は、愛し合って結婚したはずなのに、いつも言い合いをしている。6歳のメイジーが、その言い合いを聞いているのに・・。
そして二人は離婚し、裁判所の命でメイジーはそれぞれの家を10日ごとに行き来することになる。
だが忙しい両親は自分たちの仕事を言い訳にして、いつしかメイジーの面倒は、スザンナの再婚相手の優しいバーテンダーのリンカーン(アレキサンダー・スカルスガルド)と、前はナニーだった父が再婚したマーゴ(ジョアンナ・ヴァンダーハム)が見るようになり、メイジーも二人に懐いて行くのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・両親が言い合う姿を見ているメイジーの表情が切ないが、彼女は泣かない。何か不思議なモノを観るような目と見るかは、観る側に委ねられるが、彼女は小さい頃から両親の言い争いを聴いて来たからなのかな。
・私に子供が出来た時に、家人と約束した事は、”子供の前では喧嘩をしない。”という事であったが、子供って言い争いをしていなくても、親が喧嘩している事を微妙に察している事を知った時には、反省したなあ。
子供にとって、両親が喧嘩している姿程、哀しいモノはないと私はそれ以来、思っているのである。
・今作では、メイジーの両親は彼女をとても大切にしている事が描かれている。だから、離婚した時の親権争いもその分、苛烈になる。
けれども、それがメイジーの心を傷つけている事に、スザンナもビールも気付かないんだよなあ。メイジーよりも、スザンナとビールとの方が、自分勝手な子供に見えるよ。
■両親に振り回されていたメイジーが、自分の意志を初めて示すシーン。それは、優しい
リンカーンとマーゴと暮らす中、スザンヌがイキナリツアーの最中に寄り、メイジーを連れて行こうとしたときに、”明日はリンカーンとマーゴとボートに乗るの。”と拒絶するシーンである。
驚き、涙するスザンヌだが、”貴方は、私の小さい時にソックリなの。”と言ってリンカーンとマーゴを見て、再びツアーバスに戻るのである。
スザンヌは強い女の子である事が分かるシーンである。
<今作は見ていると、メイジーの両親の身勝手さに可なり腹が立つが、両親自身がメイジーを愛している事が分かるし、スザンナとビールは只管に優しいし・・。
何よりもメイジーを演じたオナタ・アプリールちゃんの、健気で愛らしい姿にヤラレタ作品である。>
大人の側の都合
スザンナとピールの夫婦には、メイジーに対する愛情のあり・なしの問題なのではなく、子育てへの関心のあり・なしの問題なのでもなく、その仕事柄(という物理的な状況)から、もともと子育てには、向いていなかったように、評論子には思われてなりませんでした。
つまり、妻(メイジーの母親)としてのスザンナは、歌手としてツアーで家を空けることも多いようで、しかもスポンサーなどの手前「家庭の都合」などで、勝手にツアーのスケジュールを変えたりすることも、もともと難しかったのだろうと思います。
一方の夫(メイジーの父親)・ピールも、美術商として、仕事柄、客先とあらば外国にも出かけて対応しなければならないという立場でしょうから、娘・メイジーと、いつもいつも一つ屋根の下で暮らすということも、叶わないことだったのだろうと思います。
しかし、それらはいずれにしても「大人の側の都合」。
いつの世にも夫婦の「大人の都合」から、影響(被害)をもろに受けてしまう幼い子供はいるものだという思いを禁じ得ないのが、評論子の偽らざる思い―本作を観終わっての、評論子の感想でした。
(むしろ、リンカーンとマーゴとの関係性(…というほどの深い関係性のある二人でもないのですけれども)には、メイジーだけでなく、観ている評論子も、たぶんに癒されました。)
本作の場合、スザンナにしてもピールにしても、決してメイジーに愛情がないわけではないことが、これまた、本作の切ないところだと、評論子は思います。
(スザンナやピールによるネグレクトの話でもしあったとすれば、コトは本当に単純な話でした。)
スザンナにしても、何とかしてメイジーをツアーに連れていけないか腐心しますし(単に不器用だけなのかも知れませんが、いささか自分勝手で、強引なやり方であることは、ひとまず措くとして)、外国の顧客のところに出向くため、空港に向かうタクシーに乗り込んだピールがメイジーを見たときの視線の切なさを、評論子は忘れられません。
本作は、別作品『綴り字のシーズン』がよかったスコット・マクギー監督ほかの手になる一本として鑑賞することにしたものでした。
同作と同様に、本作も、幼少の女の子にスポットを当て、その揺れ動く心情を見事に描いているという点では、本作も、同作に勝るとも劣らない佳作だったと思います。
<映画のことば>
あなたが生まれるまで、こんな愛を知らなかった。
あなたが私に教えてくれたのよ。
子供は3歳までに、親に恩返しを済ませるとも言われるそうですけれども。
子供を授かることの幸せは(時代の昨今や)洋の東西を問わないようです。
周りに毒を吐く自己中心的な下品で教養のない母親、 女を口説きまくる...
親の離婚や都合で振り回される6歳のメイジー。そんな日々でも泣くこと...
メイジーが聞き分けよすぎ
沢木耕太郎氏の映画レビューのおすすめで見てみました。主人公の女の子の両親は娘を相手しているのは確かなのでしょうが誠に身勝手。なのに7、8歳くらいのような女の子は空気も読んで聞き分けもよく、臨機応変。両親の各々の恋人(再婚相手)がお人よしでメイジーのことも献身的に面倒みてくれます。最後にメイジーがまた強引に連れ戻そうとする母親にささやかな自己主張をするところがほっとしました。
そして、バトン は渡された。
他人の子供は可愛い。
問題は バカ親 みたく、いづれは変身する事。
そんなセリフででくる。
大概はバトンは繋がれない。それが現実なんだよね。
メルヘンだなぁ。だから、かえって悲しい。
万引き家族やパラサイトでもいいけどね。現実はもっと殺伐としていると思う。
メイジーに癒された
健気なメイジー、演技なのか自然なのかわからないけど、癒された。
絵を描くシーン。なぜか口が一緒に動くのも幼児らしくて可愛らしい。これは演技ではないのかな。
大人と手を繋ぐシーンが多く、これも可愛いなぁと。
目線だけで十分感情表現していて、すごいし。
事情をいち早く察して、わがままを言わないどころか身勝手な大人達をも癒そうとするメイジー。人は生まれながらにしてオトナなのかも。いや、人は永遠に子供達なのかな。
いずれこういう子も大人に。どんな大人になるかは不明だが、自分で居場所を選べるようになった時、どこを選ぶのか。リンカーンとマーゴとは一緒に住めないとは思うけど、良い関係は続きそうな気がする。(希望)
娘のことは溺愛してるかもしれないけど、周りの人には無神経な母親。助けてもらってるリンカーン対してのあの態度!勝手すぎる。
しかし、リンカーン役のアレクサンダー。前からチェックしていたが、出てきた瞬間からやはり違う。やはり好きだ〜
ロック・ミュージシャンの母
元々、お互いに出かけることが多い夫婦だったので、結局はお互いの新パートナーがメイジーと一緒にいることが多くなった。子供の純粋な愛情はいつも一緒にいてくれる人に傾いてゆく。父も母も帰ってきたときには飛びついて愛情を注ぐのだが、離れているうちにどちらが本当の親なのかわからなくなってくるストーリー。やがてリンカーン(スカルスガルド)とマーゴ(ジョアンナ・ヴァンダーハム)は仲良くなり、示し合わせたように海のそばの家へと遊びに行き・・・
最後までは描かれてないが、どちらも離婚して、リンカーンとマーゴが結婚するような雰囲気で終わってしまう。そうなったら親権は元に戻るんだろうけど、どうなるんだろうな・・・
子供と親の互いの「愛している」という言葉の深さ
親に振り回される子供メイジー。
メイジーの視点から見た大人、特に両親の行動。とても悲しくなるが、現実にもあり得る話。
子供は純粋でお母さんやお父さんを愛している。
もちろん、両親から子供へも愛しているし、そのような言葉はかけてくれる。
ただ、大人からの愛しているという言葉は、一時的かそんなに深い言葉ではない。子供の愛しているとは比べ物にならない。
子供の親に対する愛しているは命がかかっているのだ。
大人の愛しているという言葉は時には子供を傷つける。
それを信じて子供は大人を信じる。ただ、信じたことが、子供の幸せにはつながらないこともある。
大人の愛しているは時にはひどい言葉になる。
本当の愛とはなんなのか勉強になった。
タイトルなし(ネタバレ)
特に何か事件が起きるわけでもなくただ日常が過ぎていくだけなんだけどそんなに退屈な感じはしなかった。
メイジーが空気読んで聞き分けのいい子を演じてるのが可哀想で辛い。
このままマーゴとリンカーンと3人でずっと暮らせたらいいのにと思うけどそうはならないのがわかるから悲しい。
親の愛情とは?
親っていうなの他人…、それでも親なんだよ。
メイジーが可愛そう。
純真無垢な彼女の瞳から感じるのは、両親の身勝手さ。
父は仕事男で世界中を飛び回り、母は歌手で全国をツアーして回る。
どちらも破天荒な夫婦。
そんな二人の間に生まれたのが可愛いメイジー。
父も母も、忙しいさのあまり、再婚相手にメイジーを預けて、自由気ままに自分の生活を楽しんでいます。
たまに会うときは都合よく笑顔を振りまき、仕事が入ると途端に他人任せ。
再婚したリンカーンとマーゴが可愛そう…。
二人を都合の良い子守として扱う姿に腹が立ちました。
二人が良い人たちだから良かったものの、犯罪に巻き込まれてもおかしくないレベル。
色々ゴタゴタしますが、最終的にリンカーンとマーゴが意気投合して、メイジーを育てようとしてくれる姿に心がホッとしました。
でも、メイジーが成長するとともに、この幸せも難しくなる予感…。
今はまだ聞き分けの良いメイジーですが、今後どうなっていくのか…。
余韻を残す終わり方に、今後の3人の生活が気になりました。
子供が親の犠牲となるのか?
喜びとなるのか?
それは育ててもらった親次第。
親が忙しければ忙しいほど、聞き分けの良い子になってしまうのが切ない…。
最終的にメイジーが自分の判断で決断してくれたラストが、味わい深いラストとなりました。
血が繋がった親と育ての他人、一体どちらが本当にマーゴのことを考えているのか…。
とてもよかった
メイジーの両親がひどすぎて、若い二人が里親になってくれればなあと思わずにいられない。特にリンカーンがナイスガイだった。後半学校に全然行ってなかったけど夏休みか何かだったのだろうか。
ジェニファーコネリーの音楽がPJハーヴェイ風でかっこよかった。
不思議な映画
両親が離婚して、初めはお互いメイジーと過ごしたがるんだけど、徐々に扱いが適当になっていくところが見ていて悲しかった。
メイジーも悲しい感情を爆発させる子じゃないから、静かにそっと傷ついている感じで痛い。
メイジーが初めて涙するシーンや、リンカーンのことを「I love him」っていうところがすごくギュッてなる。
両親は精神的に子供のまま子供ができた夫婦って感じである意味怖い。
それにひきかえ、マーゴとリンカーンは他人でありながらもメイジーをちゃんと可愛がって心配してて「この二人と暮らせたらいいのに…!」って祈りながら見てた。
予想外の結末だった。
でもツアーから戻ったらメイジーは母の元に帰るんだろうな…
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