劇場公開日 2013年10月26日

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「なぜハンナはアイヒマンの死刑が妥当だと思ったのか」ハンナ・アーレント 奈々生んさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5なぜハンナはアイヒマンの死刑が妥当だと思ったのか

2016年5月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

人間の条件 を読むに先立って鑑賞。

なんというか、難しい部分、理解出来てない部分が結構ある。繰り返し観ないといけない映画だと感じた。

この映画はある程度の予備知識がないと理解しにくいのかもしれない。私は心理学のアイヒマン実験を通じてざっくりした知識を持っていた。また、人間の条件に関しても、まだ読むには至ってないが書評などをしばしば読んできた。それでも理解出来てない部分がある。単に自分がバカなだけかも知んないけど。

映画として、最も印象的だったのは終盤の講義のシーンだ。映画の、そしてハンナの主張のダイジェスト的部分。ハンナが考えることで人は強くなると熱弁したシーンは「そうだよな!それだよな!」というような熱い共感を覚えた。

しかし、この映画を見て疑問も生じた。思考メモを下記に記す。

なんでハンナアーレントはアイヒマンの死刑には賛成したんだろうか。人間は考えられないと善と悪の区別がつかなくなり、罪を犯す。ハンナは考えることこそがヒトが人間たる所以だと言った(合ってる?)。
とすれば、罰は罪を犯したヒトを人間に戻すシステムなんじゃないかと考えたんだけど、だとすれば死刑ってシステムがよくわからない。死刑になったヒトは人間には戻れない。なんでアイヒマンの死刑は妥当だと思ってたんだろう。ハンナは罰についてどう思ってたんだろう。
それとも別で考えるべきなんだろうか。罪は罪だ。みたいな。こんがらがってきたぞ。ともかく、ハンナアーレントは罪と罰についてどう考えてたんだろうか。

以上

奈々生ん