「民主主義教育の教科書として高校生たちに見せたい」リンカーン chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)
民主主義教育の教科書として高校生たちに見せたい
今の自民党などの96条改正は国管理の基本である憲法を自分たちの好きな戦前の復古調に近づけたい狙いが根幹にあると感じていますが、とりあえず、当面の狙いは曖昧にしておいて、悪いことは決してしませんから、変えやすくさせてください、とPRしているように見えます。「リンカーン」は米国憲法改正を軸とした映画です。米国大統領リンカーンは自由と平等の精神から黒人奴隷解放の項目を憲法に追加するために南北戦争の最中、力を注いだのです。この映画は米国民主主義の懐の深さ、人種差別の無意味さ、戦争の悲惨さを教えてくれます。旧体制を打破して一歩一歩、理想に向かって歩んでいくのがいかに大変であったか、米国の民主主義もそれらの歴史の積み重ねなのだと感心するばかりでした。 リンカーンの複雑な家庭が映画に奥行きを与えています。 改めて、監督のスピルバーグのヒューマニズムに脱帽しました。
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