劇場公開日 2014年12月13日

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「そしてLOTRへ……」ホビット 決戦のゆくえ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0そしてLOTRへ……

2014年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

興奮

寂しいですねえ、いや寂しいなあ。これで、これで本当に終わりですもんね。中つ国の世界もこれで見納めってのは、うん。哀しいですやっぱ。

今回はホビット三部作の最終章で、『思いがけない冒険』と『竜に奪われた王国』で、今まで冒険してきた各地で色々撒かれていった伏線や登場人物や出来事の総回収をしていく位置づけというか、まあそんな風に進みます。オールスターキャストで以っての纏めに入る訳ですな。ただ、単に纏めと言ってもそこはほら、監督がピーター・ジャクソンですから。単純な回収作業にはなりません。ドワーフやらエルフやら人間やらオークやらトロールやらゴブリンやらの他種族を交えての怒涛の戦闘シーンが延々と、しかも破格のスケールで繰り広げられていきます。前二作での若干のんびりとした牧歌的な雰囲気を一気に吹き飛ばす殺伐感。殺戮感。メインキャラクターも次々に死んでくし、展開もやたらと痛ましい。そんで、凄すぎて目の前の一大絵巻をただただ網膜に焼き付けられていく感覚に陥ります。陥っちゃいます。ひたすらに圧倒されてしまうのですよ。だけど物語はそれでもしっかりと総括されていく、というか。それは確認できるというか。
戦闘中でのメインストーリー、サイドストーリーも同時に進み、、ちゃんとひとつに向かって収束していく。そしてそして、感動のラストへ……という流れでございます。堪能です。堪能しました。堪能したのです、が。が。

う~ん、何でしょうか。なーんか物足りないのですよ。随分あっさりしてるというか。サクッと始まって、サッと終わる、みたいな。余韻がないなぁ、と。中つ国の世界に浸らせてくれる、あの感じがない。まだ終わって欲しくない!いつまでもこの世界に居たい!という、あの気分にさせてくれなかったなあ、と。それと前二作ではあった、これぞ幻想世界だ!というべき未知の怪物の登場や、スクロールで展開するユニークなアクションが今回は全くなかったのがね、残念というか。いや、まそりゃあ纏めのストーリーですから、わざわざ新しい飛び道具出すのもおかしいってのは分かるんですけども、そういう驚きがなかったのでね。どうにも若干薄味な印象になってしまったなあ、と。だからこそ、これでLOTRシリーズ終わり!てのが寂しくて寂しくてねぇ。

原作だと、まだ他に何か残ってるんですかね?『シルマリルの物語』ですか?何でもいいから映像化してほしいなあ。頼みます!ピージャク先生!ニュー・ライン・シネマ!

ロロ・トマシ