劇場公開日 2014年12月13日

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「完結編としては少々地味」ホビット 決戦のゆくえ えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0完結編としては少々地味

2014年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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『ホビット 決戦のゆくえ』を鑑賞。
ピーター・ジャクソン監督による3部作の完結編。
当然の事ながら前2作を鑑賞している事が前提となる。

物語は冒頭から佳境に差し掛かっている為、戦闘シーンの連続。
相変わらず迫力満点なCG演出は素晴らしく「これぞ映画」と思わせるには十分なクオリティである。
ただ、今シリーズ自体がロード・オブ・ザ・リングの縮小版のような物語なので、物語自体は映像ほどダイナミックではない。要するに小さい話を大きく魅せているのである。
その象徴的なものが、悪役の存在感である。
カリスマ的な悪役が存在しないため、絵的にも物語的にも盛り上がりに欠けてしまうのだ。
前作で登場したドラゴンなどはその素質があったのだが、今作ではそれに勝るものが登場せず、完結編にしては少々地味な印象となっている。

また、ロード・オブ~に比べて風呂敷の畳み方が少々雑。
観終った後、「あれはどうなったの?」という事がいくつか残ってしまう。
3部作の完結編ともなれば、大風呂敷を畳む為には上映時間全体の3分の1以上は欲しいが、そういう意味からすれば今作は155分と少々短め。
あと15分程度延ばしてでも丁寧に畳んでほしかったところではある。

それでもシリーズファンは前2作を通して主人公達と共に長い冒険を体験しているので、3部作通しての評価としては十分満足できる出来となっている。
また、シリーズをまだ観ていない方も正月休みに1・2作目を鑑賞してでも、今作を映画館で観る価値は十分にあることを伝えておきたい。

えのきち