「ツッコミどころは多いけど愛を感じる」ウルヴァリン:SAMURAI NandSさんの映画レビュー(感想・評価)
ツッコミどころは多いけど愛を感じる
前提として
・原作と思しきものは未読。
・『X-MEN』『~2』『~:ファイナル・ディシジョン』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』『~:ファースト・ジェネレーション』は視聴済。
・ジェームズ・マンゴールド監督の他作品は未視聴。
妙にクセになった。
まずは、気になった部分をいくつか。
ストーリー全体の目的が分かりづらい。ローガンが何をしたいのか、勢力図がどうなってるのか、マリコがなぜ狙われるのか(物語中に判明するが納得はしづらい)。これが原因で物語に追い付くことができなかった。キャラや要素が多すぎるのかもしれない。X-MENあるある。
ラストシーン明けで急にユキオがいなくなったのにはびっくりした。さっきまでの会話はどこに??? スピンオフドラマでも作るつもりだったのかな。
日本をロケーションにしているが、やっぱり"勘違い日本"。アメコミ作品との親和性は高いので、悪いとまで言い切れないが……。
日本人をこんなに起用できたのなら、なぜハラダをウィル氏にした……。演技とかの問題じゃなくて日本語発音の問題。メインキャラクターは、日本人とそれ以外の区別をしっかりつけているように印象を受けたのだが、ハラダだけが不可解だった。
さて、ここからは好きな点を。
まずはコンセプト。
日本に来るウルヴァリン。そして死にかける。
爪を出しても痛い。いつもの猪突猛進スタイルで戦うとフラフラになる。そして助けられて渋々従う毛むくじゃら。
ウルヴァリンが死にかけるだけでこんなに面白いなんて!
死にかけても何かを守ろうとする姿は、まさにウルヴァリンであり、"ヒーロー"でもある。今作は"ヒーロー"としての描かれ方が多い。そういう意味では見やすいアメコミ作品。
ウルヴァリンってなんやかんや言って人に甘いよね。
アクションもめちゃくちゃ良い。歴代最高かも。
動きが派手だし、画としても映える。ウルヴァリンvsシンゲンはベストバトル。真田さんすげぇ。
新幹線シーンの妙なコミカルさも好き。でも新幹線は木造じゃないよ???
真田さんと福島さん巧かったなぁ……MAOさんも美しかった。
日本を舞台にしていて、ツッコミどころもたくさんあるが、引き込まれるものが多い。
なによりも"ウルヴァリン"と"日本"に対する愛を感じる。
ウルヴァリンの設定をあんなに引っ張って来たことがあるだろうか。
伐採業の経験、飛行機酔い、ジーンのトラウマ、骨でできた爪(ラストの展開好き!)、兵士としての過去……
ジーンのトラウマ以外、"X-MEN"オリジナル三部作では出てこなかったものである。後付け設定かもしれないが、しっかりと描いているな、という印象。
さらに(原作でおなじみの)黄色いスーツを登場させようとしていたのを聞くと、ニヤッとしてしまう。
日本人の思想とか考え方を、矢志田家の問題・呪縛として描いているのも高評価。良いものでもあり、悪しきものとも捉えられる。一番上の立場(ミスター・ヤシダ)が腐敗するとこうなるよね、みたいな。マリコが乗り超え、自らの力で会社を引き継ぐのも良かった。
ツッコミどころは多いがクセになるぐらい好きになるし、ウルヴァリンかっこいいなってなる。そんな作品。
