「SAMURAIの儀礼とは?」ウルヴァリン:SAMURAI シネマトリックスさんの映画レビュー(感想・評価)
SAMURAIの儀礼とは?
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キャラクターは周知なので、シリーズの中では意外性が少ない作品だと思うが、アクション映画として観れば、それなりの評価はできる。増上寺でのロケ(?)にも苦心の跡が見られるし、ウルヴァリンの爪と日本刀の激突は、一つのありうる設定である。
もちろんウルヴァリンが旧日本軍に捕えられるほど弱くはないだろうし、欧米人から見た日本と思われる描写もある。特に忍者の存在に対する信心は強いようで、私なども「忍者なんか日本にいない」と外人に説明しても、「それは、おまえが知らないだけで、ひそかに里で暮らしているのだ」という答えが返ってくることもある。
さて本作品で一つ違和感を感じたのは、準主人公である矢志田中尉(階級章に☆二つだった記憶あり)の、老いて病に伏して後の行為である。彼はウルヴァリンに命を救われたのに、そのお礼が、永遠の命をウルヴァリンから奪って自らのものにするというもの。これは「侍」としての生き方とは言えない気がする。たとえウルヴァリンが不死の体に苦しんでいたとしても、やはり後味が悪い。
トカゲのような女医(ミュータント)をもっと強力・凶悪にして、ウルヴァリンと矢志田一族が、これと立ち向かうという設定もあったのではないかと思う。
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