「ローガンくんの修学旅行。日本のヤクザって強いなぁ〜。」ウルヴァリン:SAMURAI たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ローガンくんの修学旅行。日本のヤクザって強いなぁ〜。
アメコミヒーロー映画『X-MEN』シリーズの第6作にして、『ウルヴァリン』シリーズの第2作。
『X-MEN: ファイナル ディシジョン』の後、ローガンは太平洋戦争中に命を救った”矢志田市朗”という男に招かれ日本を訪れる。そこでローガンを待ち受けていたものは…。
監督は『17歳のカルテ』『ナイト&デイ』のジェームズ・マンゴールド。
○キャスト
ローガン/ウルヴァリン…ヒュー・ジャックマン(兼製作)。
エリック・レーンシャー/マグニートー…サー・イアン・マッケラン,CBE。
新たなキャストとして、矢志田の息子、シンゲン・ヤシダを演じるのは『リング』シリーズや『ラスト サムライ』の、レジェンド俳優・真田広之。
製作総指揮はスタン・リー。
X-メンのメンバー、ウルヴァリンに焦点を当てた『ウルヴァリン』シリーズ。
非常に評判が悪い本作、どれだけ駄作なのかビクビクしながら鑑賞したが、思いのほか楽しめた!
ハリウッド映画に出てくる日本って、忍者がいたり芸者がいたり、とにかく破茶滅茶に描かれることが多い。『アベンジャーズ/エンドゲーム』でも、何処だこれ!?状態だったなぁ…。
本作の日本描写もトンデモ系っちゃトンデモ系なんだけど、マンゴールド監督の真面目に頑張っている感じが伝わってきて、わりと違和感が無い…ことはないんだけど、まぁ気にせずに観ることができた。個人的にハリウッド映画のトンデモ日本が好きだから、どの作品でも別に気にならないんだけどね。
本作ではローガンが日本文化を堪能します。
パチスロ行って、新幹線乗って、ラブ・ホテル行って、食事作法を学び、礼儀作法を学び、刀の握り方まで教わっちゃいます。うーん。まるで修学旅行、もしくは交換留学。これヒュー・ジャックマンが日本観光したかっただけなんじゃ…?
忍者にヤクザ、果てはロボットまで出てくるんだからぶったまげた!😲
しかも中にジジイが乗ってるんだから更にぶったまげた👀❗️『ロボジー』(2012)とか『老人Z』(1991)を思い出す超展開です。こんなん笑うわ😅
本作の観客は誰もがこう思うことだろう…、日本のヤクザ強すぎっ!!
新幹線でのバトルはほとんどギャグ。無茶苦茶すぎて笑うしかない😂元気があればなんでも出来るのである。
下手なミュータントよりも、ヤクザの方が絶対強いし社会の脅威。
前作『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』は敵討ち、本作はお姫様の護衛。『ウルヴァリン』シリーズは目的が分かりやすくて良い。
前作はいかにもアメコミヒーロー映画という派手派手な映像だったけど、本作はかなり大人しめでシックな印象。
長崎パートなんかは、往年の邦画を意識したのであろう雰囲気が漂っていた。気怠くて官能的。こういうの結構好き。
上品な雰囲気は良いと思うんだけど、その分派手なバトルが少なくてちょっと退屈。
今回、出てくるミュータントが凄く少ないんですよね。
ウルヴァリンとバイパーくらいか。これじゃやっぱり地味ですよ。
んで、大半は能力を失ったウルヴァリンが血を流しながら唸っているんだから、辛気臭いといえば辛気臭い。爽快感は無い。
それが本作の魅力にもなっているんだけど、やっぱりもう少しミュータント同士のバトルは欲しかったな。
これまでのシリーズ作がチームものだったのに対し、本作はウルヴァリンとユキオのバディもの。
ユキオのアクションシーンはかなり良かった!
キャラとしても、これまでの『X-MEN』シリーズにはいない感じでかなり好きです。
それだけに、もっとこの2人のバディとしての活躍を見せてほしかった。バディものとしては今一つの出来だと思う。
あと不満点としては忍者集団の扱いが中途半端だったこと。味方サイドなのか敵サイドなのかハッキリしてくれ。そして忍者集団のリーダー、ハラダの日本語がカタコトすぎる💦お主どこの国の間者なのじゃ!?
事程左様に、大絶賛!!…というテンションではないんだけど、笑えて楽しいアクション映画でした。これまでの『X-MEN』シリーズの中でも割と上位に食い込むくらいには好き❤️
ローガンの爪が折れてしまったけど、どうなるの次回!?
…本作だけ観ると、ジーンっていうのがローガンの恋人だったんだな、と思うだろうなぁ。ローガンの片想いなんだよなぁ。虚しいなぁ。