「キャリーが一番カワイイ、ということはまあ、そういうことだ。」キャリー しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
キャリーが一番カワイイ、ということはまあ、そういうことだ。
旧作を知っている人間にとって、今回のリメイクは、
1)カワイイクロエがキャリーを演じること
2)リメイクならではの新味を探す
3)ジュリアン・ムーア
にしか興味はいかないのである。
1)スクリーンの中や観客席を見渡しても、キャリーが一番かわいいんだから、ああ、これはそういう映画なのだ、とシャワーシーンで全部分かっちゃう。
どんくさいけど、17歳で初潮を迎えるけど、お母さん変だけど、超カワイイ。
田舎町だが現在の設定で逆にオーバーオールの着こなしが粋なキャリーはそもそもいじめられる存在ではないのだ。
どう見てもクラスメートのジェラシーにしか見えない。
まあ、いじめっ子がキャリーに似た豚を見つけるところは面白かったけど。
2)オリジナルに忠実、といえば聞こえはいいが、まんま。
オリジナルを超えよう、という意思は初めからないし、別路線で行こう、という冒険もない。
クロエの七変化を見せたいがために、淡々とスピーディーにストーリーが展開される。プロムで爆発するまでの何のタメが全く無いのである。
クロエが一番カワイイのに、やっぱり一番かわいかったね、というのだから、感情の起伏も何もないのである。
そう、単にいつもの血まみれクロエ登場のためだけに作られたアイドル映画でしかない。
「真っ赤が似合うアイドル」です(ハート)
ってな彼女だから、悲壮感な演出など初めから無いのだよ。
というか、ここから企画がスタートしたとしか思えないな。
3)狂信的だが、逆にむしろエロチックで、すさんだ美魔女を好演。現代にああいう人がいまだにいるのか、というのは思ったが、さすがである。
オリジナルとの比較をすると、止まらなくなるので、ここではやめるが、アイドル映画として楽しめれば、それで作り手の意図通りでいいのではないだろうか。