「リメイクとしての意図」許されざる者 ミスターカタンガさんの映画レビュー(感想・評価)
リメイクとしての意図
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一部変更や追加はあるものの、終盤近くまでは意外なほどオリジナルを忠実になぞっている印象で、最後までこの調子か?と不安になったが、ラストであえて追われる(であろう)身へ自分を追い込むことで、贖罪とも取れる形で締めくくったところに、リメイクとしての意図を感じ、なるほど、これはこれでありだなとも思った。
キャッチコピーの「人はどこまで許されるのか」、死ぬまで許されない罪を
背負って生きていくしかない、ということなのだろう。
そのためか、終盤の襲撃シーンは映像も音楽も叙情的。
一方のオリジナル版では、鬼と化したマニーが「女子供も動くモノは迷わず撃ち殺した」とためらいも無く過去の自分を語るところから、星条旗を背に「さもないと、皆殺しだ」と告げて去る場面まで、情感的な演出は一切なく、ただ人が人を殺すシーンでしかない。
どんな事情があろうと、暴力は暴力、人殺しは人殺しでしかないということを印象づけたオリジナルに比べると、どうしても弱い!と感じざるを得ない。
渡辺謙は頑張ってはいる。いるのだが、ここぞというところで、過去に散々人を切ってきた男の凄みがもう少し欲しかった気もする。
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