パラノーマン ブライス・ホローの謎のレビュー・感想・評価
全16件を表示
正しいストーリーに傷つけられた人は、イビツな人間が紡いだストーリー...
正しいストーリーに傷つけられた人は、イビツな人間が紡いだストーリーで癒される、という希望の物語。
KUBOの「物語を終える」ことに対する希望が、コクを増しそうな一本。ライカってすごい(驚)。
傷付けられた激痛で頭がいっぱいのうちは、何をやっても(無関係な人まで)傷つけてしまう。
それは間違っているし、フェアじゃないし、自分をさらに孤独に押しやるから苦しい。
呪詛をまき散らしながら、怒りと悲しみで引き裂かれそうな少女。
殺されそうになりながらも歩み寄りを止めない少年に涙。
ストーリーがいただけない
異端の意味
素晴らしかったです
ストップモーションだったの!?
技術に圧倒される
多くの人に触れてほしい
これ程それぞれのシーンに無駄がなく、まとまった作品はなかなかない。
ストップモーションならではの暖かみのある映像で何度見ても心打たれる。
ゾンビが剥がれて人間になる画はなんとも素晴らしい。
人間が恐怖する対象であったゾンビや魔女がシームレスに、完全に立場が逆転している様は見事なプロットと言わざるを得ない。
ちょっと騙りですが、映画館で3度見て、パンフ、サントラ、ようやくBDまで購入。
この映画のテーマと同じく、偏見を持たずあらゆる人に見てもらいたい。そんな作品。
ディズニーでもピクサーでもドリームワークスでもティム・バートンでもない、良質のアニメーション!
「コララインとボタンの魔女」のチームによるストップモーション・アニメ。
舞台は300年前に魔女狩りがあった町、ブライス・ホロー。
主人公はホラー映画好きの少年、ノーマン。死者と話せる不思議な力を持ち、それ故、学校ではいじめられ、家族からも悩みの種の孤独な少年。
ティム・バートン風である。
でも決してティム・バートンのアニメーションの真似事ではない。
このチームの前作「コララインとボタンの魔女」同様、独特で不思議な魅力の作品。
ある日ノーマンは、同じ能力を持つ大叔父から、この町に魔女の呪いが蘇るという話を聞かされる。そしてそれを阻止出来るのは、ノーマンだけ…。
いじめられっ子が実は選ばれし者で世界を救う…とはよくある話だが、本作はちょっと違う。
戦ったりはしない。
また、蘇ったゾンビや魔女も本当は恐ろしい存在ではない。一番恐ろしいのは…わざわざ言わなくても分かる事である。
彼らを理解し、救おうとするノーマン。その優しさこそ、本作品の源だ。
死者しか友達が居なかったノーマンが、次第に周囲に心を開いていく様も、定番だけど安心して見る事が出来る。
作品はホラーテイストだが、ユーモアもたっぷり。所々、ブラックユーモアでもある。
キャラクターたちは、可愛いとキモ可愛いの中間といった所。(←分かるかな〜、この微妙な感じ)
特に愛嬌あるキャラクターが、○○○なのも面白い。
ストップモーション・アニメ特有のチマチマした動きはやっぱり好き。
ディズニーでもピクサーでもドリームワークスでもないけど、良質のアニメーション!
異質=異常ではない
過去に魔女として処刑された人物も、死者が見える少年ノーマンも異質な者として周りから冷たい目で見られる。そもそも異質とは何か? 大勢にある者が自分たちを正常と思い込んでいるだけで、本当は多くの欠陥品のひとりに過ぎないのかもしれないのだ。
ノーマンと親しくなるニールが言う。「みんな怖いからイジメるんだ」。人種差別も自分たちが作り上げてきたものを壊されるのではないかという怖れから起こるのかもしれない。
皆、本質は変わらない。見た目だけで判断したり力を誇示するのは危険だ。この映画でも、本物のゾンビよりも顔をパックし過激な発言をする人間のほうがよほど怖いし危険な存在だ。
この作品は、異質=異常ではないと教えてくれる。
ストップモーションアニメ、つまりひとコマひとコマ人形を少しずつ動かして撮影する方法だが、実に芸が細かく動きが滑らかで表情も豊かだ。ノーマンの母サンドラのクチ周りの膨らみなどは絶妙だ。
効果音、とくにバックグラウンドで密かに鳴っている音とか音楽の使い方は「インディ・ジョーンズ」に似ていてスピルバーグ的だ。
「脳内ニューヨーク」などのジョン・ブライオンによる音楽も、シーズンになると街角で耳にする「ハロウィンのテーマ」のフレーズが潜んでいて楽しい。
魔女の魂が救われていく描写はどこか日本のアニメ風で、「サマー・ウォーズ」の細田守監督などの影響があったのではないかと思いながら観た。
ストップモーションアニメはやっぱりすごい!
全16件を表示