「同名の別作品です。」100回泣くこと ホタルさんの映画レビュー(感想・評価)
同名の別作品です。
元々大倉さんのファンなので、公開される前から小説を買い、ワクワクしてたんですが、多忙で公開時は見れず。友人にパンフレットだけ購入してもらって、レンタルして見ました。
色々文句を言いたくなるような映画でした(笑)
原作は「完治できるように一緒に頑張ろう」のような感じで、佳美は素直で、二人の同棲生活から闘病生活がいいテンポで流れてたんですが、この映画では藤井くんが記憶喪失が故に(?)、頑固な佳美の「病気を知られたくない。藤井くんを傷つけたくない。」という自己中心的な思いと、佳美サイドの人間によって、藤井くんが長々と振り回されてるように感じました。
佳美の病気を隠したまま、すれ違う二人。しかし、佳美が癌だと知った藤井くんは、徐々に記憶を取り戻し、佳美に会いに行きます。ここまででかなり時間使われててちょっとうんざりしました(汗)
ラスト30分になってやっと、久しぶりに会えて「死ぬまで一緒にいようね」と約束しますが、シーンが切り替わったらもう佳美が死ぬ場面。
展開早すぎ…。話が全然進まないと思ってたら、ラストはやはり焦って詰め込んだな、というのがわかります。
佳美の闘病生活もほとんど描写されておらず、佳美は「藤井くん」ばかりで、彼女の病気の辛さがイマイチ伝わってきませんでした。ほとんどの病室のシーンが比較的、佳美がまだ元気な頃だったからかもしれませんが、こう言った映画ではお決まりである闘病シーンが無いのは、共感しにくいですね(^o^;)
そして一番よくわからなかったのは「藤井くんが病気の佳美から逃げた」みたいな話。バッハ、夏子、佳美の父(前述の佳美サイドの人間)が皆言ってましたが、あれでどうやったら「逃げた」という解釈になるのかわかりませんでした(^o^;)
藤井くんは少なくとも「一緒に病院に行く」と言ってたので、協力的だと思ったんですが…。
佳美の父が「君は一人で部屋を出ていったんだ」と言ってましたが、いやいや、事故で記憶喪失なら仕方ないでしょ(佳美が決断したことでもあるし)。そのことを「逃げた」というのなら、それは違うんじゃ?と思いました。
それに対して佳美は「藤井くんは逃げた訳じゃないよ」と周りに強く言ってた訳でもなさそうで。
佳美の周りの人間が口を揃えて、藤井くんが悪い(?)みたいに考えてるので、実は彼らは過去に他のことで、藤井くんに恨みがあるんではないかと考えてしまいました。
ルナレインボーの話も正直、必要だったのか謎です。ハワイ行く金で、もっといい作品作れたんでは?と思います。
記憶喪失の話ばかりで、原作を再現したのはプロポーズくらい。命の大切さとか一生懸命生きる大切さなどを伝えたいにしろ、闘病シーンが無く、あの病室のシーンの演出じゃ伝わりません。脚本、演出が悪く何を伝えたかったのか、よくわかりませんでした。
原作を知ってる方は、全然違う作品と考えて見た方がいいです。
最後に。「藤井秀一」ではなく、完全に「大倉忠義」に戻ってましたが、「解熱の舞」は唯一面白かったです(笑)