「先にテレビドラマの方を見てしまった」さよならドビュッシー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
先にテレビドラマの方を見てしまった
クリックして本文を読む
先にテレビドラマの方を見てしまった・・・。テレビドラマの方は構成が悪いためか、最初から答えがわかってしまうほどお粗末な出来栄えだった・・・しかも火事で全身やけどを負ったところで本人がすり替えられるなんてことは現在の医学からすればあり得ない話。まさか予想した結末にならないだろうと期待していたら、まんまと騙された。オープニングだけで結末が見えてくるストーリーは最悪です。
キャラクター設定だけは面白い。原作者の中山千里は江戸川乱歩や横溝正史を読みまくっていたらしいから、作風にもその雰囲気がにじんでいるような気もする。すり替えの本人である遥(橋本)の性格といい、司法試験をトップで合格したにもかかわらずピアニストの道を選んで探偵まがいのことをする岬洋介(清塚)といい・・・しかし、医学知識(DNA鑑定等)や法学知識(遺留分等)、音楽知識にも疑問を感じる時点で、もうすでに昭和初期風のストーリーは似合わないのだ。残念ながら・・・
まぁ、すり替え、成りすましの事実はわかりきっているので、遥=ルシアの心境の変化や周りの遺産相続に関わる家族のみに注目することになる。残念ながら火事以前の遥がほとんど描かれていないので、その心の変わりようがわからない。岬先生に真実を告白するところから感情移入できるのではあるが、やはり中盤までが全く緊迫感のないことから、ミステリーとしてではなく、最初から心理劇として扱った方が良さそうな内容。
コメントする