「32年目で復活なるか。」31年目の夫婦げんか ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
32年目で復活なるか。
どうでもいいことけど、館内は超満席^^;
もちろん観客層は中高年から老年カップルばっかり!
タイトルといい、キャストといい、ハズレなし♪と思って
これは面白いぞ!といそいそ出かけて面喰った老夫婦が
さぞかし多かっただろうと思ってしまう、ソフトな邦題。
今作を観て、うわ恥ずかしい!とか、気持ち悪い!と思った
うら若き人々(心が)は、つまり自分の両親が「夫婦の営み」を
見せてくれちゃったような感覚に囚われるからだと思うのだ^^;
私だって見たくなどないし(爆)想像ですらもちろんご勘弁(汗)、
でもその行為あってこそ生まれたのが自分ですからねぇ。
否定してどうする!という、閉鎖的な日本人の性への関心を
まさかのご老体相手にここまで描いて見せちゃったのが本作。
今や草食男子?ですか。そういう習性が持て囃されてますが、
本当にそういう系統が全盛になったら人間は早々に滅びます。
異性に興味がない、まして触れたいとも思わない、なんて
今作の宇宙人(違いますけど)ジョーンズ氏とさして変わらない。
でも彼は、若い頃はそういうワケじゃなかった。
年月を経て、妻との関係が老朽化し(これが問題)、ついには
妻の強制でカウンセリングを受けることになってしまったのだ。
傍目にみれば、実にかわいそうに思えるこの夫婦関係も、
皆さん口にしないだけ、日本もレスは問題になってますからね。
面倒なのか?欲求がないのか?果たしてどっちなんでしょう。
ケイとアーノルドの熟年夫婦は、関係改善を願うケイの頼みで
バーナード医師が行う「カップル集中カウンセリング」へと向かう。
ここで行われるのは(もちろん)
性生活への集中質問に夫婦の嗜好技を絡めた性生活応援治療!
苦笑いなんてもんじゃないくらい赤裸々な回答が求められ、
ただでさえ苦虫を噛んでいる顔のアーノルドはみるみる大激怒!
何でそんなことまで^^;って、私でも思えたけれど、
何しろ寝室は別で5年もお互いに触れていないような夫婦(更に歳)
に対して、ハイ今日から励みましょうね!だけで済むはずがない^^;
必死に愚問に耐える夫婦であるが、ふとしたことからお互いの
嗜好の違いが露わになってくる。(ここなんですね、興味深いのは)
あんなクソ真面目なアーノルドの妄想劇。妻が机下で…ってやつ。
(こんなところで書くことじゃないのは重々分かってますが)
日本人の奥様の、一体何割がこれを普通にやってるんでしょうか。
もちろんケイはしたことないでしょう(ここで両親を浮かべちゃ×)
食料品店で長いもの(バナナとか)に目をやるケイのあの困惑顔!!
そして映画館での…(あぁ書けない)
私、できないわ!やっぱりムリなの!って泣きじゃくるケイを見て、
お前らケイに何てことやらせるんじゃ~!ボケ~!と思いました。
そしてアーノルド。とりあえず(何となく)近づけたんだから…と、
サッサとカウンセリングを終えて自分は帰りたい。これ以上余計な
苦労(というより自分の不甲斐なさ)を背負ってトライなど嫌だね。
そんなアーノルドに医師は一言「あなたの努力はそこまでですか?」
結局のところ…
あの医師は、相手が何を望んでいるのか。相手が喜ぶことをしなさい。
と言いたかったんだと思うのだ。
自分の好きな相手を喜ばせる。恋愛初期なら普通に出来たことなのに、
なんでこの歳になってそんなことを…?と思ってしまうこの年月に、
プライドを擲ってまで相手に尽くそうとしないことが最大の問題点。
身近で解消できない欲求が(そればかりとは言いませんけどね)
公共の車内で他人に向けられることの多さを物語っている気がする。
だから敢えて言っちゃうと、
自分の欲求のみを相手に訴え、相手の欲求を満たしてやれなかった
ケイの方にも、実は問題があったんだよということ。
まぁね、言わないアーノルドにも非があるからどっちもどっちかな。
ジョーンズもストリープも、よくぞここまで!とのめり込みの名演技。
笑いをとれたのは「鼻の骨」だけだったカレル(残念!でも巧いぞ)との
アンサンブルが非常に小気味よく観られる作品。
ちなみにカウンセリング場面のほとんどがアドリブだというのだから
さすがの役者たち!じゃあ、あれはホントに回答に困っていたんだ^^;
(ラブラブで悪いことはないのだから。夫婦円満が未来を救うかもよ)