「倦怠期」31年目の夫婦げんか odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
倦怠期
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昨今では妻から言いだす熟年離婚も増えているらしい、積年の不満が爆発するのだろう。
社会性の強い文化圏では一夫一婦制で生涯添い遂げるのが美徳とされるが夫婦の見本とされるおしどりも実は毎年メスは異なっていると聞いて驚いたことがある。
人間は本能だけで暮らしているわけではないので心の寄与がある分男女関係も複雑になる、離婚理由のトップは性格の不一致と言われるが公言がはばかられるので余り表には出てこないが性的な不満も少なからずあるのだろう、そういう意味では本作はデリケートでプライベートな夫婦間の問題に真正面から踏み込んだ稀有な映画、見ている方も他人の夫婦生活を覗き見しているような気まずい思いを強いられ、見続けるかどうか正直当惑した。
メリル・ストリープは数々の女性を演じてきた名女優だからどんな役でもこなせるのは理解できるがいまや存在感が強すぎるので役柄が微妙に思えた。トミー・リー・ジョーンズもハーバード出のインテリで親日家、CMでもおなじみで無愛想なところとコミカルさのギャップが面白い名優ですが金に細かい会計士役、取り付く島もないような不機嫌さが際立って愛嬌の面では活かしきれていなかった気もします。そういった意味では映画脚本家デビューのバネッサ・テイラーのセリフの練りの甘さかも知れません。スキンシップも大切でしょうが大事なのは思いやりと理解しました。
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