映画と恋とウディ・アレンのレビュー・感想・評価
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何を言われようと映画を撮り続ける
年に1本映画を作り続けるウディ・アレン。
誰に何を言われようと、映画を撮り続けるのだ。それはずっと変わらない。
アイデアは次々に浮かぶそう。
それでも名作が出来たと自分で満足することはない。
“名作と僕の間に立ちふさがるのは僕だ”
The only thing stands between greatness and me is me.”
ウディ・アレンの作品を見ていない人に!
たのしめた
もうおじいちゃんだけどね
映画を作り続けるウディ・アレンを捉えたドキュメンタリー。
作りはかなりオーソドックス。デビューから順にインタビューを交えて語っている。
制作した映画の映像がふんだんに盛り込まれているのが嬉しい。
コメディシーンもおもわず笑ってしまう。
初期の作品を経て、徐々に重みを増す映画。酷評されたりした苦悩も正直に告白。
インタビューにミア・ファーローはさすがに出てこないが
そのあたりも禁忌にせず語られてる。
それにしてもダイアン・キートンはイイ女だ。
別れても何の愚痴・悪口も言わず、この映画をも支えてくれる存在。
アレンの映画制作で一番輝いてるのは彼女の存在なんじゃないかな
そんな事を思いました。
ウディ・アレン好きにの方には、必見のご機嫌の作品です!
私は人間が好きだ。そして、或る一人の人間の生き様なり、その生涯を追って行くドキュメンタリーと言う手法を使って紡ぎ出される人間像を描いた映画もとても好きな作品の部類に入る。
しかも、その人物が大好きな映画監督の人生を語る作品であるなら、その楽しみは私個人にとっては、正に極上の時間を約束されたも、同然の事だ。
つまり、この映画は、ウディ・アレンの映画作家としての歩みを追っている作品なのだが、同時に、観客である私個人にとってもこの映画は、私の生活の中で大きな位置を占める映画観賞人生の一部を振り返って、自分の過去を見直すと言うとても中身の濃い、楽しい時間であった。
その私が初めてウディ・アレンの作品を観たのは高校生の時にさかのぼるが、彼の代表作であり、傑作の一つである「アニーホール」との出会いであった。
この映画で初めて、機関銃から連射される銃弾のようなセリフ・セリフ・セリフの数々。彼の冴えない容姿と、それに対して都会的なセンスの香りを全身から湛えたダイアン・キートンの美しさ、チャーミングなその魅力の虜に直ぐなった私は、その後の「インテリア」「マンハッタン」や「スターダストメモリー」も大好きな作品になった。そして「スターダストメモリー」は大コケした失敗作だった事を初めて、今回この映画を観て知った。
そしてこの作品では、幼いウディ・アレンが笑顔の可愛い少年から、或る日生命の儚さを知り、突然人生に対する考え方に変化が起き、それが、次第に辛辣なジョークを産み出していく基になったと言うのはとても興味深かったし、彼の生れた生家が現在もブルックリンに存在し、彼の生れた当時のNYは子供が道路で1日中遊べていたと言うそんな、環境で育っていった彼の愛する街、NYを知る事が出来たのも嬉しかった。
幼い彼が暮す家の近隣には多数映画館があり、沢山の作品を観て育った彼には、映画に対する大いなる愛と理想が有るようだ。そんな彼だからこそ、彼は半端じゃなく厳しいアメリカのショービジネス界の中にあって、40年間と言う長~い間映画を制作し続けて今日まで活躍してこられているのかも知れない。
このウディ・アレンと言う映像作家のこれまでの足跡は、彼の作品が好き嫌いと言う評価以前に、これだけの長い期間に渡り、映画を世に送り続けて来たこの事実だけでも、それは素晴らしい功績だと思う。
彼は学生時代から、ラジオや、ライブハウスのコメディアンの台本を執筆し、TVのコメディー番組出演やトークショーに出演するが、或る日オスカー女優のシャリーマクレーンの紹介により映画作家としてのキャリアを歩んで行く事になったと言うのもとても興味深い。そして40ドルで購入したと言う古い古いタイプライターで、彼は現在も仕事の執筆をしていると言う、実にチャーミングなキャラクターの持ち主だ。そして多くの女優とのスキャンダルと共に、幾つになっても、映画に対する情熱を絶やさない彼の姿がたまらなく可愛らしく見えるのだ。きっと子供時代は妙に大人びた親父のようだったかもしれないが、現在も少年の時と変わらぬ情熱を持ち制作を続ける彼はどこか少年の様でもある。40年積み上げて来たキャリアでも尚も、今も届かない映画の理想の作品を追い求め続けている彼の今後の作品に益々期待が膨らんだ。
新藤兼人同様に、人との愛を軸に100歳現役を目指して欲しいと願わずにはいられない!
ウディ・アレンのファンには必見の作品だ。
40年撮り続けたことの重みが最後の一言に
少年時代からギャグライターとして活躍していた姿が描かれるのは興味深い。次から次とギャグが頭に浮かぶというのだから天才の部類に入るのだろう。
コメディアンとして出演した映画も数多く出てくる。ただ、こうして見てみると、ウディ・アレンは脚本と監督に専念して、演じるのはほかの人のほうがもっと面白い作品に仕上がったのではないかと思う。
自身が出演した作品を連発で見せられたときは睡魔に襲われた。
数十人の映画人によるインタビューは映画ファンとして興味深く面白い話が聞ける。ただ、反アレン派は登場しない。当然といえば当然だろうが、最初から最後までアレン賛歌になっているのも構成的に飽きる要因だ。
逆に見入ってしまうのは脚本を書いたりアイデアを練るアレンの姿。本当に楽しそうで活き活きとしている。
ウディ・アレンの作品で好きなのは「それでも恋するバルセロナ」「人生万歳!」「ミッドナイト・イン・パリ」と直近のものばかり。やはり本人が出ていないほうが好きなのだ。とくに「ミッドナイト・イン・パリ」が洒落た不思議感と恋の予感を漂わせる結びで大好きな映画だ。
映画の最後でアレンが語る。
「こんなにも運が良かったのに、人生の落伍者の気分なのはなぜだろう」
まだまだ本人が納得できる映画が撮れていないという事ばかりではないかもしれない。映画作りの現場そのものに(仕事のあり方に)長年の理想があって、現実がそこまで達していないことへ漏らした言葉に聞こえた。
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