藁の楯 わらのたてのレビュー・感想・評価
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いいところも悪いところも
最後の10分は不必要。
人間の感情を徹底的に煽るだけだったら、銘苅が清丸への憎悪に駆られたアノ瞬間を十分に描くべきだった。「正義論」を説く映画にしなくて良い。
配役としても
大沢たかおと「クズ」の藤原竜也は十分だったが、岸谷五朗が演じる奥村武は、役どころも演技も中途半端。永山絢斗にいたっては、折角の役をこれまた中途半端な「オニィちゃん」にしてしまっている。
ところで、余貴美子はいつ「脱出」?お金は?
すごい映画だね。
本当に救いがない。
これでもかというくらい徹底した映画という印象。
清丸や銘苅をはじめ、それぞれの役者の熱演にも素直に拍手を送りたい。
ストーリーも始めから最後まで、歯を食いしばって耐えるしかない嫌悪感に溢れていた。
それぞれの登場人物が全員狂っているように感じたが、私は銘刈が一番気持ち悪かった。
まさに正義の権化のような存在で、任務の遂行のため、信念のために手段を選ばない。
私心は徹底的に排除して、そのせいで自分の命まで危険に晒す。
非常に魅力的な存在で、それ故に気持ち悪く、絶対に存在して欲しくないと感じた。
清丸の射殺命令が出てからも愚直に任務を遂行しようとし、白岩が殺されても、亡くなった妻を侮辱されても、自分の心の深いところを嗤われても、何があっても清丸を殺さずに連行する。
それも冷淡にではない。感情を露わにしても殺意をむき出しにしても、決定的な行動は必死にねじ伏せる。
頼むから殺してくれと何度も思わされた。
強すぎて正しすぎて気持ち悪い。素晴らしいキャラクターだった。
このような人物造詣を見られたことが、この作品の最大の収穫であった。
善・悪とは?
・あそこまでの事は現実にはなかろうが、現実に犯罪者を擁護する立場で仕事をする弁護士もいる。その弁護士の仕事は犯罪者を護ること。このような葛藤を感じているのだろうかと推測。
・わかりやすい「悪」から「善人」や「一般市民」を護る設定は良くみかけるが、高額賞金がかけられたことでその弱さゆえに「一般市民」が「悪」に変わってしまうという設定はなかなか見かけない。腹立たしさを感じながらも、見応えがあった。
・悪人の中にも「善」を見出そうとする作品の多い中、この作品中の清丸は同情のしようもない徹底的な悪。そういう意味では「脳男」に通ずるものを感じた。
話題ほどには・・・
何と言ってもサイコパスの俳優が・・・安っぽいです。
松嶋菜々子が上手く使えていない!!
どうも中途半端な感じです。
日本映画としては珍しく派手なシーンもありましたが、後半に持ってきてほしかった。
カンヌに出品されたと聞いて少しは期待していたのですが・・・
映画を観てから調べてみると、酷評だったのですね。
頷けます。
狂った役の藤原竜也は凄い
全体的に悪くないけど、後半ややダラける感じです。
前半はSPも刑事も、出てくる登場人物全員が怪しくて
やたら血液が飛び散る感じは三池崇史だなーと。
大沢たかおの葛藤シーンはセリフ多すぎてややしらけました。
藤原さんのいい仕事
藤原竜也の芝居がかった大げさな喜怒哀楽の受け皿としては、完璧な役どころだったのではないか。それぐらい観てるこっちを本気でイライラさせ、引きつった笑いをもたらし、心からのため息をつかせる、非常に効果的、かつ隅々まで行き届いた人間のクズが仕上がっていた。
そんな完璧なクズを使って理性を試される2時間。精神的苦痛を与えるどころか、全力で狂わされる。もう何のために何をするべきか、訳がわからない。
信念を貫き続けることの困難さと意味。
このテーマで邦画を作ると、とてつもなく重くて暗い作品になりそうだが、ハリウッド級のアクションシーンや演出が、重々しさをうまく発散している。
役者の演技も良く、画面映えもしてちゃんとテーマもある。
あれ?もしかして結構いい映画なんじゃない?
なかなかに面白かった
基本邦画に期待しないたちで、三池監督の過去作も鑑賞したものはあまり好きではないので、過度に期待せず鑑賞しました。
原作は読んでませんが、あまりに過剰な設定は邦画らしいというか、小説原作もこうなのかな?と思うほどでしたが、究極の選択のジレンマみたいなものを上手く映像化していたと思います。博多発の新幹線車内に拳銃所持した人がやたら多かったのは、逆にリアリティなのかもとニヤついてしまいました(笑)
レビューは評価がイマイチの様ですが、アクションの要素を含めたクライムムービーとしては、邦画に珍しくスケール感のある映像で見ていて飽きなかったです。CG然とした場面も少なかったし、なかなかの大作なのではないでしょうか?
問題提起というほどのテーマはありませんが、主人公の苦悩やジレンマ、エンディングに繋がるありきたりのハッピーエンドだけではない感じが、私にはちょうど良かったです。知り合いにも勧めたいレベルでした。
ただ、一点だけ。三池監督作は何かいつも尺が足りなくて端折られたように感じるところが確かに多いですね?もう少し主人公への感情移入、伏線などに時間を割いて貰いたかったです。
正しさとは何かを問いているの?
犯罪者を守ることを命じられたSP銘刈の葛藤を描きながら、正しさとは何か考えさせらる映画なのだろうか。
藤原竜也の演技が妙にリアルで、そんなことを考える余裕もなく、清丸を殺したら10億円という設定に入り込めないまま、ただヒヤヒヤモヤモヤした。
大沢たかおさんをもっとかっこよく見せても良い印象。
ざんねん
前半のアクションは見応えがあってすごく良かった。後半は一気にスピードが落ちたきがする。同情の余地のない犯人には観客は殺せとしか思わないだろう。犯人がまったく魅力的でない。そして、最後、あれだけ警察官が集まっている中、大沢たかおがあっさり刺されるなんてあっていいのか?テーマがすごく好きなテーマであるだけに残念だった。
嫌いじゃない。
大沢たかおカッコいい。内容的に初期段階でキャストから変に深読みして観賞してしまい、やはりの結果。ただ嫌いじゃない。藤原竜也・山崎努と芝居が濃いキャストで気になる人も多いかも。松嶋菜々子、時間の流れを感じます。
しっかりと見応えあった
軽い気持ちで借りたけど、なかなか、ハリウッドムービーのようなエンタメ感満載。
清丸が幼女の性犯罪者だからか、周りが油断しすぎだと思う。弱い奴と油断しすぎ、こいつは狡猾なヤツなのだ。
最後の5分くらいも救いのなさと、その次のシーンに救いを感じて、よかった。
なんなんだこの映画は?
松嶋菜々子さんを殺す様な設定するな!
賞金かけられたくらいで政治や官僚、警察庁が動くか!
現実ならその金は裏で動くもんなんだよ!
何なんだこの映画は?
警察と警視庁の我慢大会か?
せっかく素晴らしい役者さんの方々に失礼だとはおもわないのか?
もっと脚本との辻褄をあわせろ!
こう言う場合監督が悪いんだな。
『ここでこのSP白岩殺してしまおう』とか
いい加減に言いやがる!
そんなことするから後味が悪いんだよな!
日本人映画
面白かった。本当に面白かった。
コラテラルじゃないけど、この映画も男にしか分からないかもしれない面白さがありました(差別的な表現で申し訳ありません)。
それくらい藤原、大沢をはじめとする役者陣の隅々まで徹底した演技力とキャラクターが強烈です。後半に各キャラクターの本音が見えるので、それを踏まえて2回目を観るとその演技力、演出力の凄さが一層際立ちます。
同じ日本人として衝撃でした。
藤原演じる、いわゆる"ゆとり"はまるで僕ら世代。大沢演じる"サラリーマン"は僕の親世代。日本人の悪い部分を前半で見せつけられ、即感情移入してしまった自分が情けないです。
銘苅が清丸を引きずりながら本庁へ連れて行くあのカット。
まるで父子のようなあのカット。
僕と僕の父親で重ねてしまうと情けなくてついつい泣けてしまいました。
僕は現在24歳ですが、男としては、まんま藤原演じる清丸そのものです。
清丸に共感は出来ませんが、心情の理解は出来ます。それだけに、母親の死のニュースのシーンはかなり心に来るものがありました。(それに対する大沢の鏡ごしの表情の演技が本当に素晴らしい!)
殺人やあそこまで非人道的ではありませんが、ああいう性格でいつまでも"責任"や"リーダーシップ"というものを知らずにやたらと顔が幼く自信を持てない若者は確実に増えています。
逆に途中で死んだ新米刑事のような人間にはコンプレックスさえ感じます。
そして賛否両論のラストの警視庁前のシーン。
僕的には最高でした。濃密です。
恐らく日本人にしか理解しにくいであろうテーマ。
銘苅が刺された時の蜷川の表情。
武士の時代から続いているであろう日本魂、筋、義。
それを理解しうる最後の世代を失ったと感じた蜷川のあの表情を見た時、
三池監督にとって僕はその世代に入っていない、という事がとても悔しく、しかし言い返せない悲しみを感じました。
やはり三池監督や、その世代の方々は僕らゆとり世代にこれからの日本を預けるのは心配なのでしょう。そんな思いを感じました。
そしてもう一つ。
蜷川が銘苅に対して一番伝えたかったであろうセリフ。
あのセリフで色々な事が信用出来なくなります。正直、殺人鬼を命に代えてでも守れるか、というこの映画の"表面上"のテーマなんてどうでもよくなります。それですら蜷川の警察や国民に対する試験や実験だったのではないかと疑ってしまいます。
是非色んな世代の方に見ていただきたいです。この映画で"現代の日本人"を感じてほしい。感じた上で有りとするか無しとするかで今後の日本が変わっていきます。
蜷川を守ると同時に清丸を守るために庇い刺された銘苅。
すっげぇ…とか言っちゃう清丸。
銘苅への義理を立てて罪を認めた蜷川。
最後まで反省出来ない、反省を理解出来ない清丸。
逆にこの作品を観て何も感じないのは日本映画の危機です。そらつまらない邦画が溢れてしまいます。作る側ではなく、観る側のせいで日本映画が衰退します。
内容は右翼的(笑)ですが、演出が左翼的(笑)なので星4にしました。
なんというか、ハリウッドへの憧れ感みたいのが見えるので。。
これは好みです。でも内容が内容なので出だしでワーナーはちょっと、、笑
ちょくちょく入る長回しカットは計算され尽くされていてとても綺麗でした。ただ綺麗すぎて浮いてたというか、他のカットとの温度差が激しかったというか。。
最後に、
やたらとこの映画に対するマジツッコミを入れるレビューを見かけますが、
これは"映画"です。
観客に何かを伝えるために必要な"映画的表現、演出"に対してツッコミいれるのは御門違いです。
映画はツッコミを入れて楽しむものではありません。そのツッコミ所の意図、意味を楽しみましょう。
うーん
設定に無理がありながらも視聴者側の心情の変化を左右に揺さぶられる作品で色々考えさせられる作品でもありました。
しいて言うなら最後のシーンでSP、守るという立場の意味合いで銘苅が白岩の子供を道路側でない位置に入れ換えてあげるというシーンがあれば締まったのかなって思います。
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