藁の楯 わらのたてのレビュー・感想・評価
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原作見たからかな
原作を見た後に観にいくものじゃないと思った。だいぶ内容が違う。
それで面白ければいいが、だいぶ役者さんの演技に助けられたんじゃないかと思う。みなさんさすがと思ったが、なかでも神箸演じた永山絢斗さん良かった。(ちくしょう、オレが死んだらかあちゃん一人ぼっちになっちまうじゃないかよ)というセリフは切なかった。
清丸はもっと屑です。中途半端、タメ口でもっと生意気だし、最後、SP白岩こと松島さんを銃で殺しますが、原作では余貴美子さん演じたタクシー運転手さんの首をへし折って殺します。唯一自分に優しく接してくれた人(おかあさんが自殺して悲しんでた清丸を優しく慰めてくれた人)
その殺した理由(あの女調子にのりやがって)これは原作のほうが清丸の屑がいっそうひきたつのに。やっぱりいくら人気があるからといって原作にない松島さんをキャストに選んだのが失敗ですね。
私は藤原さんファンなのでこんないやな役はやってほしくありませんが、やるなら徹底的にするべきです。
批判ばかり書きましたが、全体的には面白く、大沢さんも松島さんもかっこよく、岸谷五郎さんもいい味だしていました。
最後に男の子と歩いてくシーンはほっとしました。
言いたいことは、よくわかるので。
「この男を殺して下さい。お礼として10億円支払います」
驚くべき広告が新聞に載った。
目に入れても痛くないほど溺愛していた孫娘を、おぞましき男に殺された富豪の老人が広告主だ。
お金と言うものは偉大だ。
それも10億円という、一般庶民には夢のような大金。
ジャンボ宝くじを2回も大当たりさせないと、手に入らないような途方もないお金。
それは、人の生死に関わり、自身の人生をも左右するに十分だ。
なのに、そこに群がるお金に困っている人間達。
犯人の清丸を送検するまでのタイムリミットは、48時間。
移送距離、福岡⇒東京間1200KM。
どうやって移送するか。
ネットをうまく駆使し、いつどこで、誰が、襲ってくるやらわからぬ疑心暗鬼。
仲間さえも疑ってしまう。
そんな過酷な状況は、≪何でこんなクズを守らなければならないのか≫という、どうしようもない苛立ち、腹立ちが、人を変える。
移送方法や、老人の殺人依頼の仕方など、ストーリーに違和感を覚える方もいらっしゃるだろう。
そういう私もその一人。
そこはそうしないで、ここはこうで良いんじゃないの?!などと思う点はいくつかあった。
でも、言いたいことは、良く分かったので、あえてツッコまないようにした。
大沢たかおさん演じる銘苅警部補の告白。
守りたくもないクズを守らなくてならなくなったら・・・
それも自分の命を懸けてまで。
それぞれの個人が抱える過去。
だからって、殺してもイイのか。
自分を支える信念に正直であれ。
藤原竜也さん演じる清丸。
あのお顔で、シレっと人間味の欠片もないことを平気で言う。
その不気味さが良かった。
台湾で撮影されたとか。
そして、とても歓迎されたとか。
ありがたいことです。
日本で撮影できないことは、残念。
太陽の対側は影ということ
バイオレントな、うーむと考えさせられる作品でした。正義の意味とか、職務の意味とか。この作品に限らず、最近暴力的な作品が増えてきた気がします。311以降、絆めいた性善説がなんとなく正しく思えるけど、その対側にあるストーリーを、私たちは見据えなくちゃいけないな、そんなことを思ったり。
大沢たかおさんのたたずまい、藤原竜也さんのどうしようもなさが際立つけど、その中で松嶋菜々子さんの熱演が光る作品。永山絢斗さんも、起伏の激しい神箸の役を演じて作品の鍵となっていました。永山さんって、「ふがいない僕は空を見た」の主役だったんだね。観とくんだったあ!
え?え?と思わせる意外な展開、詩的場面にほんとに乏しい作品ですが、スケール感はやっぱ劇場だよなあ、いいよなあと思いました。
明日がいい日でありますように。
そもそも設定が非現実的で演出も臨場感に乏しい
政財界に影響力のある大物が個人の恨みを晴らすために、全国民に対して、報奨金と引き換えに加害者を殺害する依頼広告を出すところからストーリーは始まる。現実味の無い設定であるが、映画がどれほどまでに観る者をこの非現実的なドラマに引き込めるのかを期待して鑑賞した。しかし残念ながら最後まであり得ない展開の連続で、「もしかすると起こりうる危機感」を煽られることは全くと言って良いほど無かった。漫画なら許せるが、映像となると、失望感に満ちてしまう。藤原達也のクズぶりは中途半端で不完全燃焼。大物役の山崎努も往年の名優らしさを出し切る場面がない。松嶋菜々子も、役の真剣さがかえって松嶋の素人くさい演技を露呈させてしまっている。唯一、新鮮さも手伝ってか、永山絢斗の劇中最後の演技からは「せつなさ」が伝わってきた。主演の「大沢たかお」については、役柄に徹して好感は持てるが、脚本が稚拙なのか、映画は全体的につまらない。
シナリオ勝ち!
一言でいうと、
映像としての印象は薄い映画、といった感じでした。
物語の内容はとても面白い!シナリオ勝ち!!笑
しかし、これを映像化するということはそれなりに、絵で見せてくる必要はあると思うのですが…
印象に残った場面がほとんどない。もちろん個人的です。
しいていうなら、CMに使われていた場面ですね。
「あ、ここCMにあった」という印象の残り方をしてしまったそこだけです。
緊迫感を煽るためか、ウエストショットとアップ中心で、映画っぽいカットがむしろ少なく、一種のドキュメンタリーのようでした。だから割とカメラの動きが気になってしまっただけです笑
このストーリー的に、全国民が敵になるという設定かと思いきやそこまで描写は無く。もっとこう、身近なところでどろどろした人間の欲を描いても良かったのではと思ってしまいました。
犯罪者は腐っても犯罪者という、微塵の救いもみせない描写はやりきっててとても良かった。
なかなか難しいところを描いていると思います。
話が面白いにこした事はありません。けれども、劇場に足を運ぶお客さんは目で見て楽しむのです。
せっかく面白い内容でしたし、もうちょっと何か絵を大切に…なんだか惜しかったかなあ、と思ってしまいました。
役者さんの緊張感は見所ですね!
大沢さんの印象も変わりました。感極まる演技、誰もが分かる見せ場で、見事に見せてくれました。
松嶋さんだけ、個人的にちょっと惜しい。違和感が拭えなかった。
クズ関連の言葉に定評のある?藤原さんは、今回も相変わらずすてきな演技でしたよ笑
ちょっとマイナスな事を書いていますが、普通に娯楽として楽しむにはもってこいです。
演技についてですが、
死に方の演技でいうと
永山絢斗の死に方よりか、松嶋菜々子の死に方の方がうまかったかな。やっぱ。
あと、脇役(エクストラ?)ですが、ホームで娘を人質に取られたお母さんと
その娘さんの演技もそれなりにうまかったと思います。
(あーそのシーン思い出して)拳銃で撃つところと撃った後でカットして編集しちゃって、あーちょっと残念な感じでした(リアリティさが半減)
(個人的には松嶋菜々子が撃ったのかと思った)
あと、終わりのほうで清丸のお母さんが自殺してしまって、ラジオでそれを
清丸自身が聴くのだけどもそこで良心に芽生えたか?とこれは伏線?
と思ったけど最後までそんな様子はありませんでした。
最後のセリフといい、
(演技)やっぱカイジはカイジだな(笑)
へぇ~あの新幹線は日本のじゃなくて台湾のものなのかあ。(日本じゃ撮影はできないらしい)
爽快感ゼロ
仇討ち
日本にもかつて仇討ちを認めていた時代があった。父兄を殺された者が殺した相手に敵を打つ話はたくさんある。
本作は現代版の仇討ちである。
孫を惨殺された男が財力に物を言わせ国民を巻き込んで復讐する話である。
孫というのがいかにも現代っぽい。
ある意味親兄弟よりも孫という存在は愛しく、幼い子供たちが被害に合う事件があまりに多い現代日本に合った作品なのだろう。
そんな事件を見聞きするにつけ、死刑になったくらいでは足りないのではないか?正直そう思うことがある。
危険な発想だし、法治国家である日本では当然許されないことであるが、子供に対する犯罪には「死刑じゃ足りない」くらい犯人を憎らしく思ってしまう。
本作では、その憎らしい犯人を命を懸けて護送するSPの葛藤を描いたものである。
そして観賞後の感想として
藤原竜也演じる犯人に思うことがある。
やはり死刑では足りないのかも…と。
あくまでも私個人の感想ですが。
予想以上に面白かった
日本映画も、スケールがでかくなりましたね
「この男を殺してください、御礼として10億円お支払いします。」
何とも、すごい話です。犯罪者を護送すると言うシチュエーションを描いた映画といえば、『S.W.A.T.』や『16ブロック』などが思い付きます。その中でも特に『S.W.A.T.』に類似している印象です。『S.W.A.T.』の場合は、護送される犯人が「自分を逃してくれたら賞金をやる」と宣言したため、それを聞いた全市民が護送チームの敵になり、加えて、護送チームの中からも裏切り者が出てくるという設定になっています。今回の『藁の楯 わらのたて』は、護送対象の犯人を殺す依頼であり、逃すと殺すで違いはしますが、全国民が敵になったり、味方の中にも裏切り者が居るというところなどは、だいぶ似ているなぁと思いました。
映像のスケールが凄いですね。日本映画もここまで来たかと言う感じです。冒頭の護送車列は完成直後の実際の高速道路を使用して撮影。いやぁ、アレだけのパトカーなどの緊急車両の車列はこれまで見たことがありません。それと何と言っても、新幹線シーンですね。これは日本の新幹線では撮影できなかったので、台湾新幹線の実車や実際の駅での撮影です。外装が日本の新幹線とは異なるので、外を映すと台湾新幹線であることを否定しきれませんが、内装は日本の新幹線と同じ。そこだけ見るとビックリです。(まぁ、中だけだったら、セットで撮影するという手法もありますけどね)
出演陣も豪華。大沢たかお良いよ。特にクライマックスの銘苅が清丸に銃を向けるシーンは、鬼気迫った演技で凄みを感じます。理性と衝動の葛藤を物凄く感じました。
ただちょっと、白岩を演じた松嶋菜々子が、ね。スレンダーなスタイルは、女性SPそのものの感じですが、彼女のアクションは若干微妙。冒頭の射撃訓練のシーンとかね、あれじゃぁ手首を痛めそうな気がします。アクション女優といえば、水野裕子じゃ無いんですかねぇ~。ただ、水野裕子だとシングルマザーという設定が少し苦しくなるか?小さい子供ならアリだと思うんだが・・・。ただそうすると、「おばさん」と言う設定が出来ないか。
それはそうと、清丸のクズぶりは凄い。凄すぎる。本当にあんな犯罪者がいたら、精神鑑定必至。下手したら、責任能力が否定されるかも。
所々、突っ込みたくなる所はありますが、それを超えて満足です。第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション公式選出も納得ですね。
面白い題材だよね!
清丸のクズっぷりがいい。
人を殺しておいて、自分が殺される側になった途端に「殺されそうになった気持ちがわかるか!?」と序盤からクズっぷりを発揮。
その後も挑発的な態度をとりながら、人が殺されるのを楽しむ。
小さい女の子が好き(可愛い子に限る)
自分を守ってくれている人を殺す。
反省はしない。
クズだ、クズっ!!!
と思いながら、どこかに良心が残っていて、いつか変わるんじゃないか…と思いたい自分がいました。
しかし、清丸は最後までクズだった。
終わった後は、胸糞悪い感じと、やっぱりクズだった!と、よくわからない爽快感。
もう一度見ようとは思わないけど、何処ぞの猟奇的殺人映画より、後味がいいのが不思議だ。
荒すぎる作り
SPにしちゃクズ!
「シングルマザーじゃなきゃ幹部候補」が
2回も目を離して撃たれて死ぬ!? 怠慢散漫甚だしい。
頭ブチ抜かれなかっただけ幸い。
藤原竜也くんはロリコン役には気持ち悪さがもうちょっとたらなかったかな。綺麗な美少年が抜けきれてない。
神箸刑事の減らず口のムカツキっぷりときたら。
ちょこっと活躍して、いい人になったら死ぬっていうのが清丸よりあんた殺したいんですけども。。。
日本人ってそんなに金さえあれば何でもやる品位の低い小気味んじゃないと思うんですよね。思いたい。
日本を舞台にしたストーリーには無理があるんじゃないですかね。
チンピラが電車で銃器だすことも嘘くさくて。。
人間の信を問う攻防戦。
ボロもあるが、それも三池映画の真骨頂!?
4月29日、東京楽天地で鑑賞。
孫を殺害した男を殺したら10億円の賞金を与える。
奇想天外というか、荒唐無稽な設定だが、それを三池監督はグイグイ、力技で映像化した、という感。
なんといっても、日本でなく台湾でのロケが効果的だ。
日本では撮影ができない新幹線の実機を使った撮影は見事。
これだけでも、鉄道ファンはたまらないだろう。
物語的には、相変わらず人物造形に粗い面もありはするが、全体の迫力の中では小さな部分に過ぎない。
松嶋菜々子も女SPを熱演。もうちょっと肉をつけるなどの役作りをしてほしかったが、がんばった、という感じ。
殺人犯を演じる藤原竜也は、「カイジ」と同じレベルの芝居だがこの手の役には向いている。
役者どころか、お笑い芸人まで白く、きれいな歯にしてしまうのが当たり前の芸能界にあり、藤原が小汚い歯を見せてのリアルな熱演は皮肉抜きに評価してもいいね。
容赦ない人間の闇の描写(;・∀・)
キャストは豪華だし、ワーナーブラザーズが配給してるってことで、かなりのメジャーなビッグバジェット映画ではあるが・・・
今回も三池監督独特の容赦ない映画(゚∀゚)アヒャ
山崎努扮する経済界の重鎮蜷川隆興が、自分の孫娘を殺した藤原竜也扮する幼女連続殺人犯の清丸国秀を殺して欲しいと10億円を提示するところから始まるけど、もうとにかく容赦ない殺伐とした設定と描写(´゚∀゚`;)
清丸は福岡に潜伏してるところ、匿ってもらってる仲間に殺されかかって自主。
身柄を東京まで護送することが決まって、それに敏腕SP2人と警視庁の刑事、そして福岡県警の刑事1人の計5人が護衛のため付き添う道すがら、ま~~~~清丸を狙う連中がどんどんやってくる(;・∀・)
警察に自首してからも、殺したら10億円支払うという蜷川のサイトが公開されてから看護師にも警官にも命を狙われる清丸の緊張感
心底性根の腐った人間の屑を護衛しなければならないというSPの銘苅と白石、警察のジレンマ
そしていつ、どこで、誰が、何人、どんな形で清丸を襲ってくるか分からないから気の休まる暇のない護送チームの切迫感
さらに護送してる刑事が実は情報を漏らしてるんじゃないかという状況で、清丸だけじゃなく身内同士で疑うという『レザボア・ドッグス』みたいな雰囲気。
この4つが合わさって、実に手に汗握る重厚なサスペンスになってると思う。
『北北西に進路を取れ』とか『アルゴ』を彷彿とさせますな( ・∀・)イイ!
清丸サイトにアップされた居場所を知らせるGPS映像と、殺そうとして未遂に終わって逮捕された連中も高額報酬で蜷川グループに採用するという、次から次へと清丸への包囲網を容赦なく狭めていく状況も緊張感を倍増させる。
そして何よりテンポがまた(・∀・)イイ!!
高速道路で護送中にニトロを積んだ大型トラックがパトカーの列をなぎ倒して向かってくるシーン、そしてその運転手をパトカーのルーフに乗っかって永山絢斗扮する神箸が撃つシーンは『西部警察』を連想するような大掛かりなカーアクションと爆破で、個人的にはこれだけで軽く2億点超えイイネ♪d('∀'o)
新幹線に乗り換えてからチンピラ3人が襲ってくるシーンも刑事ドラマの王道と言える銃撃戦で、何より神箸の殉職シーンも『太陽にほえろ』のマカロニの殉職シーンをちょっと連想させて良かった(*´・д・)*´。_。)ゥミュ
新神戸の駅で子供を人質に取って清丸を出せというシーンも、子供の泣き声と犯人の切迫感でとにかく緊張感を盛り立てるし、伊武雅刀扮する福岡県警の刑事が犯人を射殺するのもとにかく容赦ない。
そして岸谷五朗扮する奥村刑事が実は情報を漏らしてた張本人なわけだけど、その方法も手首にマイクロチップを埋め込むという実に体を張った方法(;^ω^)
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』よろしく、次々に護送団のメンバーが抜けていく。
途中清丸がSPの隙をついて、静岡の浜松あたりか?女の子が寝てるところをいたずらしようとするが見つかって未遂に終わるシーンがあるけど、その見せ方も実にえげつないと言うか(゚∀゚ ;)タラー
この映画子役の使い方が絶妙と言うか、容赦ない上にえげつない(;´∀`)
そして清丸は「僕はどうせ誰かに殺される。だから僕を殺して10億円貰ったら、そこから何割か母ちゃんに上げてください。僕が死んだら母ちゃんは1人になってしまう。僕は親孝行らしいことは何もしてあげられなかった。お金があれば老後も安心できる。」としおらしいことを言うけど・・・
隙をついて白岩の拳銃を奪って白岩を射殺∑(゚ω゚ノ)ノ
理由が「だってこの人おばさん臭いんだもの」
(|| ゚Д゚)
白岩刑事も神箸刑事同様「私がいないとあの子が・・・」と残された家族を心配する言葉でこと切れる。
銘苅は怒り心頭で、拳銃を突きつけて清丸を殺そうとするものの、思い留まって警視庁まで護送する。
ところがそこに諸悪の根源の蜷川がやってきて、説得してるところ座頭市の仕込み杖みたいな刀で清丸を殺そうとするがそれを抑える
・・・が、清丸はそれを拾って逆に蜷川を殺そうとするも、盾に入った銘苅が刺されてエェエェエェエェエェエェエェエェエ(゚Д゚ノ)ノエェエェエェエェエェエライコッチャ
清丸は死刑が決まって、最後の言葉が「後悔、反省してます。もっとやっとけば良かったなって。」
とにかく見下げ果てた下衆野郎(#・∀・)
なんだけど・・・
途中見せた家族を心配する言葉、そして母親が自殺したというニュースを聞いて泣きまくることから、人間の心はあったのかとも思えるが、それも実は演技だったのか、それは分からない。
ラストの捨て台詞も果たして本心から言ったことなのか、単なる負け惜しみなのか、それとも他に何か意図があったのか、それも分からない。
『汚れた顔の天使』みたいな、実際のところはどうなのかは観客に任せるという終わり方だし、エンドロール直前に白石刑事の息子が銘苅なのか別人なのか、誰かと仲良く歩いていくシーンがあって、後姿だけしか映ってないから判断がつかないけどとりあえず面倒は見てもらえてはいるという救いの描写ではあるけど、銘刈は清丸に刺されて生還出来たかどうかも示されないまま。
銘苅は飲酒運転の車に轢かれて奥さんを亡くしてて、帰宅して和菓子を仏前に供えた時に「和菓子を出すならお茶もでしょ」みたいな台詞がはっきり聞こえてくる。
最初「何でこんなベタと言うか、余計なことするんだ?」と思ったけど、その後奥さんが死ぬ直前には仕事に行けと言われたと神箸に話してて、それも最初は大した意味があるのかどうか分からなかったが、クライマックスで白石を殺した清丸に銃を突きつけて「全部俺が自分の中で作った物語だ!!!それがないとやってけねえんだよ!!!!」と本心を吐露する重要な伏線になってるんですなΣd(゚∀゚d)イカス!
何事も物は考えようだし、自分なりの物語は生きる上でも重要なんだな~~~と改めて思った。
「そんなことをしてお孫さんが喜ぶと思ってるんですか!?」
「死んだらそれで終わりだ。死人はしゃべることが出来ない。」
この銘苅と蜷川のやり取りが、この映画全体を象徴してると思う。
挙げたらきりがない程色んな刑事ドラマ、2時間ドラマで聞く台詞だけど、死人に口なしだから殺された被害者の意志なんて誰にも分からない。
生きてる人間の行動原理や行動基準なんて、自分なりの理由づけ、つまり物語に則って決まるもんなんですな(・∀・)ウン!!
そして登場人物はみんな家族のために行動してる。
銘苅は死んだ奥さんのため
白石は女手1人で育ててる息子のため
神箸は母親のため
清丸を殺させるため動いてる警察上層部も
清丸を殺そうとした人たちも
清丸本人も母親を心配してるし、蜷川も殺された孫娘のため10億の懸賞金をかけて清丸を殺させようとしてる。
人間は金のためなら悪魔になれるけど、なぜ金が欲しいのか?
勿論私腹を肥やすために金を取る奴はいるけど、世の中の大半の人は家族を守るために金が必要なんだo(`・д・´)o ウン!!
つまり「家族を守る」ことが世の中の大半の人にとっての「物語」なわけですな。
子連れの猛獣が危険なのは家族を守ろうとするからで、人間も例外じゃなく、逆に言えば「いざとなれば人間は家族のためなら悪魔にもなれる」という非常に恐い面もあるガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
特に今みたいな先行き不透明な時代なら尚更のこと(;´Д`)
この辺り家族愛を描いていながらも、人間のダークサイドを容赦なく浮き彫りにする三池監督流のシニカルな視点がいかんなく発揮されてて(゚д゚)イーヨイイヨー
物語と言えば聞こえはいいけど、独りよがりの妄想、幻想の可能性だってあるわけだし、そんなの他人からすればどうでもいい話。
むしろ傍迷惑なことだってある。
つくづく人間の空しさ、厄介さ、複雑さを思い知りましたε-(‐ω‐;)
何重にも重なった多重な構造を持つ名作です(*^ー゚)b グッジョブ!!
ただ余貴美子扮するあのおかしな感じのタクシー運転手は・・・狂言回し的な雰囲気で悪くなかったんだけど出番少な過ぎじゃねえの???
途中から全然出なくなっちまったし(;・∀・)
あといくら何でも護送する警察連中どじ過ぎと言うか(ノ∀`)アチャー
2回もつけ入る隙を清丸に与えるのはちょっとどうかと(*゚Д゚)
つうかヘリとか船で護送ってできないのかね?
まあそれを言うとこの映画自体成立しないから無理だけど(^_^;)
とにかく超一級で重厚なサスペンスに仕上がってて楽しめた(≧∇≦)b
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