「呼び出しの笑顔が最高」渾身 KON-SHIN aceさんの映画レビュー(感想・評価)
呼び出しの笑顔が最高
隠岐相撲は祭りであり儀式なのだろう。相撲を二番取り、先勝した者は二番目に「勝ちをゆずり」一勝一敗にする。勝負事であれば敗者にとって屈辱でしかない。だから、それは勝負事ではない。大相撲で土俵にたたきつけ、土俵下に突き落とした勝ち力士が負け力士に手を差しのべることがある。勝者は敗者に対する敬意の行動だろうが、その手を握る敗者はいない。本作は隠岐相撲を描くことが中心だから、呼び出しの底抜けの笑顔があればそれでいいのだろうが、人間は欲のかたまりなのでもっともっとと求めてしまう。監督は女性に観てもらいたいと言っていたが、英明の結婚式ドタキャンあたりは興味をそそられるのではないだろうか。どんな理由があろうと式までに解決しておくべきだろう。それができなかった理由は何なのか?知りたいなぁ。英明が相撲を始めた理由は?地元に自分を受け入れてもらいやすくする。相撲関係者の後押しで仕事探しを有利にする。モヤモヤが多くて体を動かしたかった、などなど。その辺をうまく表現できたらもっと感動作になったかもしれない。あっ、それから伊藤歩がきれいかった。スワロウテイルの少女はどこまで美しくなるのだろう。
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