俺はまだ本気出してないだけのレビュー・感想・評価
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あれ?期待とはだいぶ違った方向だったぞ
どうにもこうにも、感想を書くことが大変難しい映画でして。
もっとダメで、落ち込んでいる人の話かと思ったら、どうも方向が違う。
すっと自信アリアリなのですよ。しずお。
なんというか、いろんな成功体験の本が出ていますが、
まったく同じことをやっても失敗する人は裏にごまんといて、
たまたま失敗してない/続けている人だけが取りざたされている、って感じですか。
それも、いまこの瞬間を切り取ったら、という条件付きで。5年後とか、3年後すらどうなっているかわからないものですが。
しずお以外にしても、役者はいっぱいいてうまい人は非常にうまいし、
部分的には笑えるところもありはしますが、
しかしなんだか、どこにも共感できない。現実感のない。
のっぺりしたミニストーリーがいっぱいの話って感じなんだな。
話は変わりますが、娘が親の保護下にいる間は「あのバイトはやめなさい」程度の叱り方ではいかんと思います。
そこはお年頃の娘がいる方には不愉快かもしれませんな。そんな人はこんなもの見に行かないか。
しごく平和な映画だ
ダメな親父という以前にダメ人間。よくここまで生きて来られたというシズオを、堤真一がこれが地かと思うほどのなりきりようで笑わせる。
父親役の石橋蓮司との漫才のようなやり取りにも大いに笑う。
この二人もいいが、山田孝之と濱田岳が強烈な個性で話にメリハリをつける。「鴨川ホルモー」(2009)で共演した二人だが、それぞれフリーターと編集者となってシズオに絡んでいく。今作では顔を合わせるシーンがないこのコンビだが、さまよえるダメおとなのやる気のない物語の進行役のような存在だ。
40過ぎにもなって漫画家を目指しても世間はそんなに甘くはない。現実的には馬鹿である。けれどもシズオは、不可能という言葉も忘れてしまったようで、なんとでもなると思っているところが凄い。
だからといって、福田雄一監督は「若者よ、諦めるのはまだ早い」というような気負ったメッセージを投げかけるでもなく、案の定、本気出したところでダメなものはダメみたいな気だるいダメおとなをひたすら傍観してみせる。
だが、シズオはもともと本気を出してきた。本気で思うがまま生きてきた。
よその子供からも軽蔑されるようないい加減な生き方だが、本来、誰もが望んでもできない人生を歩むシズオに、少なからず羨望を持って映画を観た人が多いに違いない。
この世には、こどものように生きられる人もいる。
ひょっとしたら、本気で望めばそんな生き方が手に入るかもしれない。
p.s.ずいぶん早くから宣伝していると思っていたら《日活創立100周年記念作品》の1本だったんですね。
100周年おめでとうございます。
笑えるけれども、自分のことを笑っているようで、少し胸が痛かった。
笑えて、泣けて、考えさせられる、こういう映画いいと思います。
特に考えさせられるところがいい。
笑いをとろうとか、泣かせてやろうとか、その他の目的がある場合、現実からかけ離れてしまうことが多いけど、この映画はそうなっていません。
現実的なのに、笑えて、泣けた。
この映画の原作は、映画化されるかなり前、一巻だけ立ち読み程度に読んだことがある。
その時はすごく面白い設定だと思った反面、自分のことが書かれているような気がして、続きを読まなかった。
この映画だと、シズオ(神)に「おまえ、ヤバいっしょ?もういいかげんヤバくね?」と言われているような感じです。
人間いくつになっても、世間からは終わっていると思われても、自分はこれでよかったのだろうか?もっと他に何かあって、本気を出せばいけるのでは?というモラトリアムな気持ちを持っていると思います。
女性ならば、結婚している、あるいは付き合っているパートナーでよかったのだろうか?もっといい人いなかったのだろうか?本気出せばもっといい人ゲットできるのでは?みたいな気持ちです。
若い人は関係ない、この映画のようなことは当たり前でヤバくないのか、というとそうでもないと思う。
成長期やバブル期みたいに、その辺にチャンスがころがっている時代ではないし、あらゆるところがシステム化され、高度化、細分化しているから、目標をなるべく早いうちに決め、一直線に進まなければ、なかなか目標までたどりつけない。
若い人でも、モラトリアムな状態でフラフラしているのはかなりヤバい。
この映画の設定自体は、コントになりそうなもので笑えるけれど、その笑いが自分に帰ってきて、ちょっと胸が痛い感じもする不思議な映画でした。
モラトリアムから卒業できないシズオに、お父さんの言った「おまえ、いつまで生きるつもりだ?」という台詞は名言だと思う。
堤真一、グッジョブ!
5月某日、都内の試写室で鑑賞。
そのタイトルにひかれ、漫画原作の大ファンになったのだが、映画も期待に十分応えてくれて、安心した。
主人公は四十路の、さえない風体の情けないオヤジなのだが、堤真一が名演技でそれに近づいている。
原作の世界にかなり映画は近づいてくれて、合格。
娘役の橋本愛も必見だ。
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