劇場公開日 2013年6月15日

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「シズオ、本気出すってよ」俺はまだ本気出してないだけ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0シズオ、本気出すってよ

2013年12月25日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

青野春秋の同名漫画の実写映画化。

まあそれにしても、笑えるタイトルである。何かミスした時、言い訳に出来そうな(笑)
でも、それを地でいってる人物がいる。主人公、大黒シズオだ。

40歳、突然会社を辞めたと思ったら、漫画家になると言い出し…。

絵に書いたようなダメ人間である。これが若者だったらまだしも、40の大人。
朝からTVゲームをし、一応漫画は描くがボツ、ボツ、ボツ…。バイトは失敗ばかり。
家では父親に怒られ、一人娘には金を借り…。
しかも、脳天気というか、楽天家。
こんな大人が近くに居たらドン引きしてしまう。
バイト先の本物店長や合コンの冷めた女の子の反応は至って当然。

一応、自分でも分かってはいる。
だけども、本気って?
やりたい事って?
分かる人は少なくない筈。
まるで自分を見てるようだ…と認めたくはないけど(笑)、不思議とシズオが憎めない。

シズオの他にも冴えない大人が二人。
シズオの幼なじみの宮田と、キャバクラの新人おっさん。
片や家族と冷え切っていて、片や若者に舐められてて…。
そんな彼らと交流を持つ、無愛想な無職の青年・市野沢の存在が温かい。

監督が福田雄一なので、ゆる〜い笑い。
背中を軽く一押しする応援映画のようでもあるけど、見た後特に残りもしない。それが狙い?

堤真一がこれまでの格好いいイメージを覆すダメっぷりで笑わせる。ほとんど素? こういうコメディも出来て、本当に器用。
共演者は個性的な面々ばかり。
宮田役の生瀬勝久、市野沢役の山田孝之は好演。
父・石橋蓮司とのやり取りは笑える。息子のダメっぷりが情けないけど、似た者同士?
濱田岳や福田監督常連俳優は美味しい所や笑える所を抑える。

そして、一人娘役の橋本愛。
可愛い〜。
表情から父への感情は読み取り難いけど…
シズオさん、娘には感謝しなきゃダメですよ。

近大