「ドラゴンボール祭り!」DRAGON BALL Z 神と神 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ドラゴンボール祭り!
子供の頃から原作漫画も読んでTVアニメも見て慣れ親しんできた「ドラゴンボール」。
今回の17年振りの劇場版はさながらファンへのビッグ・プレゼント。ただただ素直にワクワク。
ストーリーは、魔人ブウとの戦いから数年後。長い眠りから目覚めた“破壊の神”ビルスと戦う。
これまでの劇場版はパラレルワールドだったが、今回の劇場版は“その後”の物語となっているのがイイ。
原作の最終エピソードが魔人ブウ戦の10年後となっている為、その間の本作で地球が滅びるとか誰かが死ぬという事はまず無いのでハラハラドキドキの緊張感は薄いけど、久々のこの世界をたっぷり堪能。
新旧のキャラが大集合。さすがに全員に見せ場を設ける事は出来なかったが(ほとんどが顔見せ程度)、ピラフ一味の登場は嬉しい。結構笑わせてくれた。
カタコトの敬語を喋ったりして悟空は相変わらず。プライドを捨てて歌い踊るベジータには参ったけど(笑)
今回の主役は何と言っても、ビルスとウイスだろう。破壊の神とその付き人。
ビルスの強さは次元違い。スーパーサイヤ人3をデコピンで跳ね飛ばす。
しかしながら美味しい食べ物に目が無く、性格はひょうきん。
ウイスもビルスが戦っている最中に食べ物に舌鼓を打ったりして、二人共、フリーザやセルとは違うユニークで何処か憎めないナイスキャラ。山寺宏一もさすが絶妙の名“声”演。
物語のキーとなる“スーパーサイヤ人ゴッド”の正体については賛否の声があるようだが、また悟空自身がパワーアップして…という設定よりかは良かったと思った。
原作の最終エピソードに登場するあのキャラへのリンクでもある。
作品雰囲気はギャグが多く、初期の頃を彷彿させる。
その為先にも述べたが緊張感は薄く、それを期待した方には少々肩透かしを食らうかも知れないが、作画の出来とバトルシーンの迫力は昔のTVアニメの比ではない。遥かにレベルアップした映像は必見。
鳥山明の意向で、東日本大震災を懸念し、市街地の破壊シーンは描かれない。今まではちょいちょいあった暴力シーンも控え目。
果てなくインフレし続ける力や戦いの意味も込められ、ただ敵と戦って勝って世界を救う…とは違うラストは「ドラゴンボール」の世界においては新鮮。
何だか新しい「ドラゴンボール」の世界を覗いた気がした。
何はともあれ、久々の「ドラゴンボール」を楽しんだ。
これはもうお祭り!