「モノクローム、アナログフィルムというこだわり」Playback kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクローム、アナログフィルムというこだわり
人生の壁にぶち当たっていた俳優ハジ(村上)は、高校時代の友人ボンに誘われるまま同級生ユウジ(山本浩司)の結婚式に参加する。ラフな格好のままでの参加で、懐かしい面々と顔を合わせるが、それは夢?気づくと、道端で倒れ、意識不明だったと告げられる・・・
スケボーに乗って走るが草むらに倒れてしまうシーンが都合3回。スケボー少年に発見されるというオープニングが生かされている。高校時代の映像、そして現実かどうかわからない結婚式や同級生モンジ(渋川)との対話など、奇妙な体験だったがそれがまた繰り返すという現実。
それぞれのエピソードは面白くもないのだが、学芸会のビデオを見せられて「他人様の子のビデオを見せられてもつまらないでしょ?」などという言葉がそれを表しているのではなかろうか。しかし、それがタイムスリップ(playback)となると話は別。どこからどこまでが夢なのか、現実なのか、人生を振り返る上での貴重な邂逅となるのだ。
フィルムのこだわりや『勝手にしやがれ』のようなフィルム切り取り編集なんて、全国公開されてないのが残念だと感じるほど凝った作りだと感じます。服装に注目していれば、どこまでが実体験なのかはわかる親切設計だし、二度目となる追体験はハジにとっても希望が沸くことだったと理解できるのです。見舞いに行かなかったことを反省したり、つまらない会話にも友情があることを実感したり、人生のどこに転換点があるのかということを教えてくれたような。そんな雰囲気の作品でした。また、スケボーシーンの道路に震災の痕が残っているのも印象的だったなぁ。
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