「今度こそ溝口版」祇園の姉妹(1936) よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
今度こそ溝口版
先日、野村浩将によるリメイク版を間違ってレンタルしたが、今度こそオリジナルの溝口健二版「祇園の姉妹」である。
オリジナル版はやはり溝口特有のワンシーン・ワンカットで始まる。これが圧巻。
家財が無造作に置かれた屋内を移動カメラがゆっくりと映していく。男たちの掛け声のほうへカメラが近づいていくと、これらの家財を競りにかけているではないか。
その競売の様子を他人事のように眺める屋敷の主人たち。
こうした奥行きのある構図で、物語の世界観を提示することがこの監督の得意技なのだと思う。
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