高地戦のレビュー・感想・評価
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戦争なんて冗談じゃねぇ!
だいぶ前に観たのですが良い作品のわりにレビュー数があまりにも少ないので遅れ馳せながらレビューします。
エンターテイメントとして楽しませながらも、戦争のリアルを見せつけ、観た者全てが戦争の不条理に唖然とするはずだ。
さすが韓国映画はレベルが高いものを作る。
本作などは戦争映画の傑作と呼べると思う。
特にラスト30分の不条理ときたら…。
事務所や上役の無理な要求に応えるための苦労は、きっと現場で働く人間なら共感できるはずだ。
“ふざけるなっ!”現場の声が聞こえてくる。
そして、戦争なんて冗談じゃねぇ!と思う。
正しき戦争映画のあり方ではないでしょうか。
高地が主役
これから観るとゆー方には、やはり余計な情報は入れず、観ることをオススメします。
朝鮮戦争末期、停戦協定が組まれ、成立するまでの、二年余の期間を描いたもので、
主に激戦区となった「エロック高地」が舞台となります。
この「エロック高地」と呼ばれる戦場はフィクションなんですが、
モデルとなった白馬高地、それと他にもいくつかの高地が戦場となっておりまして、
それらをまとめての、「エロック高地」。
逆から読むと「KOREA」となる、戦場が作られたわけでございます。
戦場は、半島そのものであると。
んで、
云ってしまうと、
このエロック高地が主役みたいなものなんですよ。
主人公もいるし、ストーリーもちゃんとあるんだけど、
『高地戦』が描こうとしているのは、
あまりに苛烈で、凄惨で、慈悲のない戦場と、それを生み出す戦争そのもの。
英雄や物語を必要としてきた戦争映画と一線を画しているのは、おそらく、そこであろうと。
んが、
興味深いのは、
そーしたキャラやエピソードが浮き出し、変質するのを抑えながらも、
過去の名作傑作とされる戦争映画へのオマージュに溢れているところ。
なんだか矛盾してるよーに感じるかもしれませんが、
この織り込み方がまた、へーっと感心するぐらい巧みで自然なのですよ。
あと、
韓国産特有の、スローを多様したり、過剰に情緒的にしたりーの演出、
例のアレ、アレの臭さがあるって感想も見掛けたけど、
わたくしにはそのへん、かなり抑えてるなとおもいましたよ。
とゆーか、
ハリウッドがやっても同じぐらいになったろーし、むしろ改悪される可能性のが高いやろ、と。
そんで、
キャストがまた素晴らしかったとか、
オープンセットから小道具に至るまでの配慮とか、
困難な撮影の話とか、
細かいのや詳しいのは、もう誰かが書いたり言ったりしてるので、このへんにしておきますが、
間違いなく、
これから語り草になるだろー、映画だとおもいやすよ。
戦争の虚しさをあらためて感じます。
上級将校が、休戦ラインを、地図の上に鉛筆で無造作に引くシーンがあります。
1本の線ですが、その線を巡って、名もない兵士、それも同じ民族どおしが、殺し合っている現実があります。
敵と味方どおしで、いつの間にか、心が通じ合い、友情が生まれそうになりますが、国と国との意地の張り合いで、壮絶な白兵戦、無情な狙撃戦を繰り広げることになります。
身を切るような歴史の実感があるからこそ、韓国映画ならではのリアル感でしょう。
東京では、単館上映が惜しい映画です。
過酷な戦争の現実を実感…
‘朝鮮戦争の停戦協定が成立。しかし協定の実行はその日の午後10時からだった’
この‘戦争終了と言われて生き残ったと喜んだあとに残り12時間さらに戦って分断戦を死守せよと’いうのが主題かと思ったら、それはラストの30分でした。
133分の残りの時間は戦争の現実と、前線で何の為に戦わされるのかという戦士達のお話と、南北戦士同士のささやかな関係等が描かれていました。
相変わらず韓国映画、容赦なし。現実を厳しく描いています。
ベトナム戦争しかり、朝鮮戦争しかり、戦争を知らない世代だから命をさらけ出す戦争がどれだけ悲惨なことか物語でしか知り得ません。
誰が悪い、誰が正しい、とか言ってられない、自分が生き残るには相手を殺すだけ、それも敵味方構わず…という現実をまざまざと見せつけられます。
やっぱりすごい!韓国映画!!!
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